■見えなかったビジョンと「批判」の代償
なぜ中道は大敗したのか、その要因について東京30区から立候補した五十嵐衣里氏は、党のアイデンティティ不足を挙げた。「中道が何をしたいのか、政権を取ればどういう政策をして、私たちの生活の何がどう変わるのかを、今回の衆議院選挙では私たちも理解しきれないまま選挙に突入した」と述べ、当事者である候補者たちですら戸惑う中での戦いだったことを告白した。
また、自民党が女性初総理となった高市総理を強く打ち出した中、中道は野田・斉藤の共同代表2人を中心に勝負に出た。「今回の敗因は、いろいろなところで書かれているが、どちらがより今後の日本をよくしてくれるかというイメージで、高市さんが選ばれた。今回、中道でも30代、40代の当選者は多かった。現役世代の議員が活動していることを見せたいと言ってきたが、それも党内で意見が一致しなかった」と悔やんだ。
党のイメージを作る「見せ方」にも課題がある。国会での振る舞いも支持を遠ざける一因となったとの指摘が出た。神奈川18区の宗野創氏は、ワイドショーでの切り取りを意識した質問構成があることを認めつつ、「どこに向けて何を発信するかが変わってきている自覚が必要」と語り、発信のあり方を変える必要性を説いた。
これに対し、愛知10区の藤原規真氏はより辛辣な分析を見せる。国会で「閣僚によるWBCの試合観戦」や「高市総理によるカタログギフト配布」を追及したことに、「批判することは大事だが、政策に対する批判であるべき」「『WBCに行った者、手挙げろ』というのも…。議席数が減って、質疑の時間も限られている中で何に時間を使うか、もっと厳格に考えて質疑に臨むべきだ」と疑問を呈した。
■「元に戻すべき」という世論への葛藤
