■業者は消極的?価格や学校側の懸念は「改善の手掛かり」に
「着物の着用機会自体は、1970年代くらいから減り続けている。(小学校卒業式での袴の着用は)文化的な体験の機会としてもすごく貴重な機会だと思うし、すごく良いこと」(吉田教授、以下同)
一方で、価格や、着付けの大変さ、転倒・締め付けによる体調不良等の学校側の懸念など、着用に伴う課題はいくつか挙げられている。しかし、こうした課題はむしろ改善の手掛かりになるという。
「着物は素材によって価格が全然違うので、手軽なものを選ぶことはできる。小さいお子さんが着付けがしにくいのであれば、きれいな着付けができて、かつ着やすくて直しやすいみたいなものづくりの工夫はあり得る。いかに業界側の方が(懸念や批判を)うまく活かす形で、より良い提案をしていくのかに繋がっていくと本当はすごくいい」
毎年必ず行われる卒業式は大きなビジネスチャンスにも思えるが、子ども向けの着やすい着物の分野には、和装の大手チェーンが積極的に参入していない実情がある。その理由とは何か。
「着付け自体はサービス提供の一つなので、ヘアセットなども必要。きれいに着せてあげるというところがパッケージになっているので、そもそも簡単に着ることに対する事業者側のインセンティブが少ない」
着付けやヘアセットまで含めてビジネスとなるため、簡単に着られる着物は利益を生みづらいというジレンマがあるようだ。しかし、今後、消費者のニーズに応える事業者が増えてくれば、市場も盛り上がり、状況も変わるのではないかという。
「今、小学校の袴の和装需要に対応されているのは割と新しいレンタル会社。提供されるところが増えてきて適度な競争関係が生まれると、差別化をして、さらにお客さんに対してより良い価値を提供しようというところが出てくる。かわいいけども気軽に着られるものなどは実現可能だと思う」
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