■「開けるだけ」で済むのか?用務員対応への強い懸念
高崎市の計画では、これまで午前7時半から50分の間に順次行っていた開門を午前7時に前倒しし、その作業を学校用務員が担当するとしている。市側は「見守り事業ではなく開門事業である」「門を開けるだけだから子どもたちを見守る必要はない」というスタンスだが、現場の教職員はこの論理に強い危機感を抱いている。
静岡の元教師であるすぎやま氏は、「学校は託児所じゃない」という意見を持ち、現場の教員が直面する心理的なプレッシャーを指摘する。「用務員さん1人で何人見るんだという話。自分が教員なら、7時に子どもが来るとなれば、たぶん学校に行ってしまう。子どもがケガをした、吐いた、熱を出した、いじめがあったとなった時、そこは用務員さんの責任だと言って切り離せるかというと、現状だとかなり厳しい状況だ。現場の先生方に負担がいくことが予想されていて、全国的にもかなり話題になっている」。
放課後NPOアフタースクールの平岩国泰氏も、他の自治体ではシルバー人材センターや学童保育のスタッフが組織的に対応するのが一般的であると述べ、「用務員さんが対応するパターンは珍しい。このパターンに少し無理があるような感じを受けている」と、体制の特異さを危惧している。
議論の焦点の一つとなったのが、児童の特性を把握していない大人が早朝の校内を見守ることの具体的リスクだ。午前0時のプリンセス・momohahaは、自身の小学生時代を振り返り、教師による細やかな管理が重要であるかを強調した。「私はよく転んでケガをするし、喘息持ちの子どもだったのでよく保健室にお世話になっていた。私の学校には、靴を履かずに裸足で登校するような子もいたけれど、先生はそういう不思議な子の特徴をちゃんと捉えているから、その子をマークして見ている。(用務員だと)この子が危険な行動するのがわからないことが多いから、ケガが増えてしまうのではないかと、ちょっと怖い」。
2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏も、用務員1人による管理の限界と、行政側の無責任とも取れる姿勢だと指摘する。「用務員さん1人だとして、全校生徒を1カ所に入れて、この部屋から出てはいけないとなればまだいいが、たぶん監視はできない。その状態で、子どもが(校外などに)出ていったり、何かあった時に責任が取れるのか。責任が取れないなら、もっと多くの大人を置く判断が必要だ」。
実際、この方針を巡り、現場の疲弊は深刻化している。すぎやま氏によれば、2026年1月時点で高崎市の58校に対し、15人もの用務員募集が出ているという。「用務員さんは子どもが好きかもしれないが、子どもの面倒を見るために採用された人ではない」と指摘する。
■予算の壁と「受益者負担」の視点
