憲法改正は本当に必要か 自衛隊明記で変わる日本の“戦う理由”とは 小林よしのり氏「軍にしないとセーブができない。規制しなければどこまででも行ってしまう」

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■「国家権力はライオン、憲法は檻」

憲法改正の論点
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 現在の日本国憲法を、どう評価すべきか。山尾氏は「国家権力はライオン、憲法は檻」という表現を用いて説明する。

 「『ライオンと檻』の例えは、弁護士の間でよく使われる。ただ日本の憲法は檻の柵の幅が空いている。世界の憲法の平均と比べて、単語数が4分の1ぐらい。隙間が多い分、解釈でそれぞれ好きなように埋めてしまい、議論の前提が噛み合わなくなっている。もう少し柵の本数を増やしてもいいのではないか」。

 自民党は9条改正に全力を注ぐとするが、警鐘を鳴らすのが小林氏だ。

 「アメリカは憲法を守るために戦う。では、日本は何のために戦うのか。それを高市早苗はわかっているのか。きっと『国民の生命・財産を守るため』と言うのだろう。それならば、アメリカ軍に守ってもらえばいい、ということになる。日米同盟は絶対に必要なわけで、それならばアメリカの51番目の州になり、属国のままで一番強いアメリカに守ってもらえばいいということになる」。

 「そうなると、アメリカにどこまでもついていくしかなくなる。(戦闘している)中東までもついていって、やるしかない。集団的自衛権だからと、日本も自衛隊をどこまでも出すという話になりかねない」。

 山尾氏は、9条に記された「武力の放棄」と実情の矛盾についても触れる。

 「9条には、何のために戦うか書いていないどころか『戦わない』と書いてあり、9条1項に戦争放棄と書いてある。これが世界的に見て、自分を守るためだけに戦うことが普通のことなのか、という問題もある。それなのに自衛隊は国民に必要だと支持されている。このギャップを、みんなが好きな解釈でバラバラに埋めている」。

 小林氏も、親交があった思想家の言葉を引用して説明する。

 「保守である西部邁が言っていた言葉がすごく面白かった。『自衛隊が憲法に違反しているのではなく、憲法が自衛隊に違反している』と。これを聞いて、目から鱗が落ちた。日本のために戦う戦力があるのが常識なのであって、そんなものはなくていいという憲法の方が非常識という考え方だ」。

 これには山尾氏も「新しい国を作る時には、必ず憲法を作るところから始まる。憲法はそれだけ国会に密接に結びついている。西部さんがおっしゃっているのは、自分で自分の国を守ることが書いていない憲法なんて、憲法ではないし、国家でもないということだろう」と同調した。

 今、憲法改正について議論する意味については「9条について、あまりにも解釈の積み上げで『ガラス細工の解釈だから国民には触らせるな』という政府や役所の意識がある。この戦後80年、改憲派も護憲派もすごく共犯者的な状況だった。政権を持つ側は改憲と言いながらファン層を掴みつつ、結局は改憲しないまま解釈で国民と向き合わず、うま味を吸ってきた。護憲派は護憲派で、護憲と言っておけば野党として選挙には受かった。80年が経ち、残念ながら一般の人が自分事として安全保障や国防について感じる機会になった今、現状を話し合って、きっちりとピン留めして不文律を文章にしていく時期だと思う」。

■憲法改正の現在地
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