将棋の第84期名人戦七番勝負第3局が5月7・8日の両日、石川県七尾市の「和倉温泉 日本の宿 のと楽」で行われ、藤井聡太名人(竜王、王位、棋聖、棋王、王将、23)が挑戦者の糸谷哲郎九段(37)に130手で勝利した。この結果により、シリーズ成績は藤井名人の3連勝に。圧倒的な強さを見せつける絶対王者が、タイトル防衛と4連覇に向けて“王手”をかけた。
復興の象徴としての意味も持つ注目の“能登対局”は、両者が雁木に構える「相雁木」の出だしから、前例のない難解な力戦へと展開した。糸谷九段が得意とする戦型とあり、意表の封じ手から主導権を握ったかと思われていたが、藤井名人は動じない。2日目の午後まで長く互角の状態が続く緊迫したねじり合いとなっていたが、終盤戦の入り口でいつの間にか体勢が入れ替わる展開となった。
わずかな隙を突く圧巻の勝負術で抜け出した藤井名人は、そこから持ち前の圧倒的な終盤力を発揮し、瞬く間にリードを押し広げた。形勢が傾いてからは挑戦者に一切の反撃を許さず、盤石の指し回しでリードを拡大。糸谷九段も粘り強く勝機を探ったものの、最後は藤井名人が的確に寄せ切り、見事な勝利を収めた。
藤井名人、糸谷九段の終局後コメント




