「退職失敗」のリスク増?民間業者の事件で退職代行ビジネスに異変…ブームの裏で「労働法全く理解しないまま安易に参入した民間業者が多い」識者が問題点を指摘

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◾️民間業者の事件後の変化と「退職失敗」のリスク

退職代行サービス展開する事業者
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 民間退職代行会社の事件以降の変化について、藤井氏は次のように明かす。

「委任状の提出が求められるケースが増えていたりして、退職代行に対して会社側の対応が厳格になっているのかなと感じている。あとは『弁護士以外の退職代行は断っていいんだ』的な発想をお持ちの会社がごく一部にあって、こちらから『労働組合もちゃんと法的な根拠を持っているんですよ』というお話をするケースも増えたような気がする」(藤井氏、以下同)

「一番大きいのは営利目的で労働法などを全く理解しないまま、安易に参入してきている民間業者が多いのかなと。ここ1、2年で参入してきて、そういった業者が退職トラブルを引き起こしているケースが増えているような気がする。民間企業の退職代行は一番多い種類だが、退職に失敗するリスクが非常に高くなってきているのかなと」

 帝国データバンクによると、退職代行は2025年10月時点で全国に少なくとも52法人あり、約6割が民間経営によるもので、サービスの市場への参入は増加している実態があるという。トラブルを避けるためにはどんな点に気をつければよいのだろうか。

「知識や受け答えがしっかりできているような業者を選ぶのが必要になってきている。民間企業の退職代行だけではなく、私たちのような労働組合の退職代行もそうだし、弁護士の退職代行もそうだが、『交渉はいたしません』というところも出てきている。料金は安いけれども交渉はせず、退職連絡しかやらないところも出てきているので、一言『退職交渉は可能ですか』と必ず確認するようにしていただければと思う。その上で『退職交渉をうちでできます』というところがあれば、任せても問題はないのかなと思う」

 この民間経営が増えている現状について、三輪氏も労働法の理解の重要性を指摘する。

「藤井氏の話にもあったが、一番の問題は労働法の理解がないまま退職代行業務をやってしまうこと。退職するからもうあとはどうなってもいいではなく、退職する最後の時まで労働者の権利を守ってもらえるような形がいい。交渉をきっちりやってくれるところじゃないといけない。ただ辞めればいいのではなくて、辞める時に自分が損しないよう徹底してくれる業者かどうか、弁護士かどうか、労働組合かどうかを確認するのがいいと思う」

弁護士だけではカバーしきれない?退職代行市場の現状と課題
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