そもそも、ETCの始まりは25年前にさかのぼる。2001年4月、小泉純一郎政権が発足。
国内では聖域なき構造改革が叫ばれ、行財政改革の目玉として郵政改革よりも先んじて打ち出されたのが、道路公団の民営化議論だった。また翌年の2002年には日韓ワールドカップを控え、新たなインフラ整備の必要性も騒がれていた時だった。
ETC導入化を促進させた理由の1つが渋滞。一般道も含めた渋滞による経済的損失は、年間12兆円とも試算されている。2001年3月、千葉と沖縄の一部高速道路で、日本のETCの試験運用が開始。しかし、2002年当初の利用率は、わずか1.6%にとどまっていた。
それでもここからETCは、少しずつ日本の道路網に浸透する。大きな転機は2008年、リーマンショック後の景気対策として、自民党の麻生内閣で打ち出された「休日上限1000円」政策。ETC車載器を付ければ、どこまで走っても土日は1000円。車載器に国の補助金もつき、各家庭が次々とETCを取り付けた。
すでにこのサービスは廃止されているが、現在も「休日割引」「平日朝夕割引」「全日深夜割引」「障がい者割引」「大口・多頻度割引」と、さまざまな割引サービスが実施されている。
普及には、さらにもう一つの要因があったと、加藤氏は指摘する。「ETC2.0という新しいタイプのカードができた。これの一つのいいところは、例えば一回降りて給油して入っても、一回降りて道の駅を利用して、また帰っても、加算されたりとかはなく、そのままの料金でいける」。
このような料金サービスを続けた結果、2010年ごろを境にETCは一気に普及。国土交通省のデータによると、利用率は2002年の1.6%から、「休日上限1000円」を経た2010年には83.7%へ上昇。2026年には95.8%に達している。業務用のトラック・バスは、ほぼ100%。現金で乗り入れる人は、いまや少数派だ。
“進化”を逆手に取るような行為が後を絶たない…
