■台湾問題を巡る「密約」の懸念とレッドライン
中国側にとって最大の関心事は台湾問題だ。李強首相は「台湾問題は越えられない第一のレッドライン」と明言しており、トランプ氏に対して「台湾独立反対」の表明を求めている。ここで浮上するのが、米中間の「密約」の可能性だ。峯村氏は歴史的な背景から警鐘を鳴らす。
「台湾=密約の歴史だ。1970年代にアメリカと中国が国交を回復する協議があって、当時、キッシンジャー氏は台湾のTの字も言っていなかったが、後に公開された機密文書を見たら、台湾の話をしまくっていた。しかも譲歩しまくりだった。今回も、アメリカや中国が、会談後に発表した話を信じていいのか、検証しなければいけない」。
さらに峯村氏は、中国側の具体的な狙いについても言及した。
「中国の人に話を聞くと、とにかく台湾。1に台湾、2に台湾、3が台湾だ。今回、本当にトランプ氏が何らかの台湾に関する譲歩、もしくは何か譲るような、これまでのスタンスと違うことを言ってくれれば、もうそれで勝ちだと中国側も捉えて割り切っている。台湾の武器売却をやめるとか、延期すると言われるだけで、台湾がぐらついてしまう」。
一方、井形氏は「密約の匂わせ」が持つ外交的意味を分析した。
「密約は秘密。密約のままなら、会談が終わった後も結局わからない。ここで何がポイントかというと、密約の匂わせだ。なんですよね。台湾をビビらせることで、他の同盟国<パートナー国にも、アメリカの言うことを聞いていないと見捨てるかもしれないと見せていることになる」。
■イラン情勢と中国の外交カード
