■楽しむだけではない意味「歴史的価値の保存」
これほどまでに収集を続ける背景には、単なる物欲を超えた「歴史的価値の保存」という意識がある。「今でこそレトロゲームだから、みんな『うわぁ!』と言ってくれるが、それもこの20年前ぐらいから。それ以前、25年前や30年前は捨て値で売られていて、なんなら『もうこれ、全部捨てます』という感じだったものばかり。それを保存・保管したという意識が強い。捨てられてしまうけど価値があるものを見過ごせなかった」。
ニポポ氏のコレクションはゲームにとどまらず、宗教グッズやナチス時のドイツのグッズなどもある。「ドイツが悲惨な時代のころ、ナチスドイツのグッズはドイツ国民が持っていられなかった経緯があり、捨てなければいけないものだった。でもそれには歴史的価値がある。うちにはナチスドイツの作戦資料など、意味がわからないものが結構たくさんある」。
番組内では、お気に入りの物や思い入れのあるアイテムを最大限に所有し、好きな物に囲まれて暮らすことで豊かさや自己表現を楽しむスタイルを「マキシマリスト」という価値観として紹介された。さらに、菅原脳神経外科クリニック理事長・菅原道仁氏の解説では、物欲の脳内メカニズムについて「欲しい物を手に入れたときなどに脳内物質ドーパミンが分泌されて幸福感が発生するが、時間とともに新鮮さが薄れるため、脳が再び幸福感を求めて新たな物欲が生まれる」と紹介された。また物欲は「物欲はモチベーションや前向きな行動につながる側面もあり、必ずしも悪いものではない」とも示された。
あらゆるものがデジタル化・効率化され、無駄な人間関係や情報の排除が進む現代社会において、あえてリアルな物質を所有し続けることの意義はどこにあるのか。ニポポ氏は、物欲や所有がもたらす価値について、「物欲があると、(コレクションで)スペースを取るかもしれないが、自分の生きてきた軌跡が見える。そういったメリットもある」と締めくくっていた。
(『ABEMA Prime』より)

