藤本七段は吉池四段よりも2年早い2022年10月に四段昇段。棋戦優勝のほか、各棋戦でも上位進出の常連となっており、2025年度は40勝12敗(勝率0.769)の成績で、第53回将棋大賞の勝率一位賞を初受賞した。そんな藤本七段に「そもそもコンスタントに当たれるようなところに行かないといけない。相当意識している」と語る。
対戦が叶ったのは2023年11月に行われた第13期加古川青流戦 決勝三番勝負。同年代のライバルに対し吉池四段は得意の右玉をぶつけたものの、結果は粉砕される形に。藤本七段も「右玉が得意ということで、序盤はそれなりに成功している気はした」と振り返る激闘だったが、一本の戦法で戦い抜く難しさを思い知らされた。
この敗戦を機に、吉池四段は思い切った行動に出る。的を絞られず相手の研究をまばらにさせるため、右玉と陣形が似ている「雁木」の習得に乗り出したのだ。皮肉にも、雁木は藤本七段が最も得意とする戦型だった。現在は右玉と雁木の“二刀流”として活躍し、藤本七段からも「序盤の作戦はすごく参考になる。これはいい作戦だなと指された時、ちょっと悔しい気持ちもある」と高く評価されるまでに進化を遂げた。
「人に見てもらえるような、人を惹きつける将棋を指していきたい」
