「受験のために校則守る」子どもの主体性奪うリスクを慶大教授が指摘
調査の結果について、内申書の研究も行う教育経済学者で慶應義塾大学教授の中室牧子氏は、次のように分析した。
「受験という仕組みが、子どもたちが望ましい行動をとるようにインセンティブをつけていることがよくわかる。みんな内申書を上げるために、定期テストの点数を上げるように頑張ったり、欠席をしないようにしたりする方向になっている」(中室牧子氏、以下同)
しかしこれには良い面と悪い面の両方があるという。
「受験という仕組みがないと、『校則を守る』『欠席をしない』といった主体性のない子になってしまうと良くないという点。教育経済学の研究でも、主体性を奪うような教育プログラムは、長い将来でみたときにその成果に悪影響を与えるということを示している研究がたくさんある。子どもたちの主体性を奪うことになるのは心配だ」
「一方で、インセンティブがあるから『生徒会の会長に立候補した』『部活動に積極的に取り組んだ』となれば、それをきっかけとして新たなことを学ぶということもあると思う。私が中学校の時、授業中にトランプをやっていて先生たちに始末書を書かされた。その始末書で思わず『生徒会の役員をやる』と書いてしまい、立候補すると運悪く受かってしまったが、生徒会の役員になったことで学んだことの大きさも感じる。このように、制度や仕組みによって機会を得て学ぶこともあるため、悪い面だけではないと思う。とにかく主体性を失わせることがないようにすることが大切だ」
ノーベル賞経済学者が示す「内申点」の価値
