ノーベル賞経済学者が示す「内申点」の価値
では今後、どのように改善していくべきだろうか。中室氏は「内申書をなくすことにはあまり肯定的ではない」とし、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン氏の著書『The Myth of Achievement Tests(学力テストの神話)』を基に、内申書で測られるような「やり抜く力」といった非認知能力が持つ重要な役割を解説した。
「学力テストの結果はIQ(=学力テストのレベル)と非認知能力(=高校での成績)の両方で説明されるが、IQが説明する割合の方が高いことが示されている。内申点に関しては、IQで説明される割合よりも非認知能力で説明される割合の方が高くなる。要するに、学校の成績は、勉強ができるかどうかだけを測っているわけではなく、『コツコツ真面目に続ける』『欠席せず毎日学校に通う』といった継続力などをすべて含めて測っている。模試で測ることができる学力と通知表で測られる成績は、実は別のものを測っている」
「子どもたちを評価するときは、学力テスト一本や非認知能力一本で測るのではなく、多面的に測らなければならない。その意味において、内申書や学校の成績というものは、頭の良し悪し以外のことも測っている可能性がある」
その上で中室氏は、今後の議論の必要性を訴える。
「生徒たちの望ましい態度を育もうと作られた仕組みが、彼らの主体性を奪う方向になってしまうと良くない。どういう評価のあり方がフェアかについては、もう少し継続して議論が必要だと感じる」
(『わたしとニュース』より)
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