
体長1.5メートルのクマ1頭が捕獲された宇都宮市では、今も厳戒態勢が続いています。街に出没したクマは1頭なのか、それとも2頭以上いるのか、徹底検証しました。
宇都宮のクマは1頭?複数?
石川県立大学 大井徹特任教授
「捕獲されたクマ以外に、小型の別のクマがいる可能性は否定できない」
宇都宮市では、体長1.5メートルのクマが捕獲されたなか、2頭目のクマが潜んでいる可能性が指摘されています。4日間にわたるクマの映像から検証していきます。
宇都宮市の市街地を流れる川を、クマが泳いでいます。9日、複数の人が川を泳ぐクマを目撃していました。
「あがってはこられないと思うけど」
ところがこの後、クマは目撃者の想像を上回る行動に出ます。
「あがる気でいるわ。あがるんじゃないよ」
川の岸壁を、よじのぼっていきます。
「あがっちゃった。余裕であがれるんだ」
フェンスを乗り越えていきました。
別の角度からの映像です。水面から顔を出して、すいすいと泳いでいきます。そして、前脚の爪を岸壁にかけて、登っているのが分かります。
クマは顔を振って確認すると、さらにフェンスを越えて住宅のほうへ進んでいきます。その後、住宅の脇に逃げ込んだクマに、動物園の職員が麻酔銃を撃ちます。
9日の午後3時45分ごろ、クマは捕獲されました。市によりますと、オスのクマで体長は1メートル50センチ、体重は推定83キロだといいます。
クマを捕獲したあとも、宇都宮市は警戒を続けています。そのワケは。
宇都宮市の担当者
「2頭目の目撃情報があったので、安全に万全を期するということで、あすについては市立の小中学校全校を休校とする」
市は、別のクマがいる可能性は否定できないとして、10日も市立の小中学校94校を休みにしています。
保護者
「(クマが)いるか、いないか、分からないところが不安。複数いる可能性はあるのかなと思う」
映像を徹底検証
宇都宮市のクマ、2頭目はいるのでしょうか?番組では、クマの映像を改めて分析して、複数の専門家の見解を聞きました。
これまで4日間にわたり、目撃は20件以上に及び、川の西側と東側にクマは出没しています。同一個体なのか、複数のクマなのか、まずは時系列に沿って映像を振り返ってみます。
最初にクマが目撃されたのは、4日前の夕方です。住宅が密集する地域の坂道に現れます。
そして翌日の午前2時すぎには、市街地の中心部にある「オリオン通り商店街」を横切る姿が、防犯カメラに映っていました。
さらにその翌日、8日には中心部の南側で目撃が相次ぎます。午前3時ごろ、川沿いを走り抜けると方向を変え、川のほうをのぞきます。ただ、川にはおりずに橋を渡って行きました。
9日の午前4時半ごろには、会社の車庫にもクマがいました。
この1時間半後の午前6時ごろ、気になる目撃情報が警察に寄せられます。住宅街でクマ2頭を目撃したという通報があったのです。
宇都宮市の担当者
「市として2頭いることは確認できていないが、その県警の発表をもとに2頭いるであろうと」
10日、近くの建物に設置された防犯カメラの映像を新たに入手しました。その目撃情報があった時間、5つのカメラに映っていたのは、1頭のクマです。
敷地内をうろつき、南の方向に去っていきました。9日に捕獲された個体の他に2頭目のクマが、まだ市内にいるのでしょうか?
捕獲後も厳戒…専門家の見解は
番組では、クマの専門家2人の見解を聞きました。
石川県立大学の大井特任教授は、「2頭目のクマ」がいる可能性を指摘します。
「7日のオリオン商店街で撮影されたクマは、1メートル程度か、それに満たないような小さなクマのようにも見えた。捕獲されたクマ以外に『小型の別のクマがいる可能性』は否定できない」
捕獲されたクマは体長1.5メートルだったのに対して、商店街に出没したクマは、映像を確認する限りそれよりも小さく見えるといいます。
「2頭いた可能性は否定できない。そのうちの1頭が捕獲されて、もう1頭残ってまだ被害が出るリスクがある、警戒を継続しているのは妥当だと思う」
一方、岩手大学農学部の山内貴義准教授の見解は…。
「例えば岩手・秋田・北海道であれば、同時に違う場所からクマが街中に入ることは十分考えられる。宇都宮のあの場所に、同時期に別々に複数頭入ってくる確率は、ほとんどないのでは。1頭の可能性が高くなっていると思う」
教育委員会によりますと、宇都宮市立の小中学校は11日から再開するということです。
(2026年6月10日放送分より)
この記事の画像一覧
