■介護がきっかけで親族も不和に
議論は、介護がもたらす親族関係の悪化や、当事者の心理的限界にも及んだ。
青山氏は、介護によって親族間の関係が壊れていく実態を証言した。「みんな余裕がなくなるため、本当は『ありがとうね』と言いたいところを、全員ができる範囲でやるからどんどん余裕がなくなり、『私はこれだけやっています』と主張をし出す。そして『あなた、こんなやってないじゃない』と潰し合うようになってしまい、介護に関係ない過去の問題がどんどん出てきてバトルしてしまう。おじいちゃん、おばあちゃんはそっちのけで大人のケンカが始まり、本当に溝が深まる」と、過酷さを語った。
また、介護と育児の決定的な違いについても意見が交わされた。グローバルパートナーズ代表・山本康二氏が「赤ちゃんも同じことを何度もやったり、夜泣きがなくならなかったりするが、親は可愛いなという感覚になる。認知症がひどくなるにあたって、可愛いなという感覚にはならないか」と問いかけたのに対し、EXIT・兼近大樹は「(赤ちゃんとは違い)成長がないから」とコメント。SEKAIA株式会社CEO・薄井シンシア氏も「赤ちゃんは(大変な時期が)いつ終わるか見えるが、この人はどのぐらい長生きするかわからない」と同調し、カマたく氏も「しかもボケちゃった方が長生きする」と付け加えた。
孤立を深める介護者の心理状態について、青山氏は「介護の情報を自分ではまずリサーチできない。そこまで余力がいかない。誰かから『こういうのがあるよ』と教えてもらっても、今それどころじゃないと自分でシャットアウトしがちになる。『私がやらなきゃ』という謎のプライドが生まれたりして、頼れなくなって愚痴も言えないと、どんどん自分で閉鎖的な世界を作って追い詰められていく」と、支援の手が届きにくい構造を解説した。
■どう対策していくべきか
