■大阪都構想、3度目のチャレンジ
大阪都構想とは、「大阪市廃止」「特別区に再編」「府市の権限統合」からなる。大阪市を廃止して、複数の「特別区」に再編する計画で、府と市の権限を統合することで「二重行政」の解消や、「効率的な都市運営」「経済発展」を目指すものだ。
過去の住民投票を見ると、2015年(投票率66.83%)は賛成49.6%、反対50.4%。2020年(62.35%)は賛成49.4%、反対50.6%と、いずれも僅差で成立しなかった。
青柳氏は「今回一番の違いは副首都構想だ。今国会で決着をつけようと、自維連立でやっているが、副首都にふさわしい統治機構を作るために、二重行政の解消や都構想が必要になる。維新の最初の目的は、二重行政の解消ではなく『大阪の成長』。東京・大阪の二極で日本を成長させ、“失われた30年”の解決策にする趣旨だった」と説明する。
そして、「大阪府の経済規模はフィンランドやポルトガルぐらい。関西圏に広げると、ノルウェーやスイス程度だ。東京は130兆円のGDP(国内総生産)規模があるが、大阪は25兆円ほど。名古屋は15兆円、福岡はその半分。大阪の潜在能力を発揮させ、アジアで冠たる都市にしたい。副首都になれば、国の拠点誘致や税制、規制を緩和する権限をもらえる。『そうしたことをやっていこう』という雰囲気の中で、皆で決めるのが筋だ」と、メリットを訴える。
一方で、公明党大阪市会議員の辻義隆氏は、都構想には反対の立場だ。「『二重行政の解消が目的ではない』と言うが、さんざん『二重行政の解消』を訴えてきた。2回目の法定協議会による協定書が否決され、府市一元化条例により、二重行政は既に解消されたため、『大阪の成長』や『副首都構想』と後付けしているだけではないか」。
今回の再挑戦意欲には「大きな問題。維新の国会議員でも、馬場伸幸前代表は『吉村代表のしもべではない』と言った。維新市議団も『前回選挙で都構想を掲げて当選していない。来年4月の選挙に都構想を掲げて民意を問いたい』と決議文を出した」との背景を説明し、「維新内部で意見が相違している。吉村代表が勝手に決め、6月12日の法定協議会も市議団は『知らない』と言っている。民意を真摯に受け止めるべきだ」と求めた。
大阪市在住のジャーナリスト・幸田泉氏も、都構想に反対だ。「『二重行政の解消』は表向きの目標で、実際は大阪市の財源と権限を大阪府が使えるようにする構造だ。府立・市立の体育館や大学があることを“二重行政”と位置づけているが、『なぜそれが二重行政なのか』と疑問がわくことも多い。1人でできることを2人でやる“二重行政”は、はびこっていない」。
税制面については、「特別区制度が抱える構造的な問題だ。大阪市民は現在、市税と府税を払っているが、特別区になると市税の大部分を大阪市へ払うことになる。市の収入が減り、市民のために使える財布は小さくなる」と指摘する。
「住民投票を大阪府全体で行えば、可決されるのでは」といった意見もあるが、これには「廃止・解体されるのは大阪府だ。法律では『廃止・解体される側の自治体が住民投票で決める』と定められている。加えて、大阪市が政令市から特別区に格下げされれば損をする。当該地域に『損してもいいか』と聞いて、賛成多数ならいいが、反対多数ならやめるのがルールだ。府全域に広げるのは、住民投票の趣旨や法律、多数決の原則からおかしい」と反論する。
■副首都&大阪都構想、合わせる意味は?
