■企業の機密情報が相次いで漏洩、拡散
利用者の約8割を20代が占める「BeReal」は、1日1回ランダムな時間に届く通知から2分以内に、スマートフォンのインカメラとアウトカメラで同時撮影を行う仕様だ。加工やフィルター機能がなく、ありのままの日常を共有するゲーム性が支持を集めている。
同アプリで1054日、連日投稿を続ける大学生・たかさんは、「Instagramのように飾ってキラキラした日常を撮るのではなく、即時性があり、何気ない瞬間の記録を残せるのが魅力」と人気の背景を語った。
一方で、この即時性がリスクの温床になっている。ITジャーナリストでスマホ安全アドバイザーの鈴木朋子氏は「1日1回、ランダムな時間に通知が来て、それから2分間で撮影をしなければいけない。インカメラとアウトカメラ、同時撮影なので取り繕うことができない。このゲーム性がかなり若者にウケて、みんな慌てて撮っている」と説明。授業中や勤務中でも撮影してしまうため、銀行の顧客情報、大手通信会社のシフト表、小学校の教諭氏名などが意図せず背景に映り込み、拡散される事態が相次いでいる。
実際に過去、建設現場での勤務中に3度の情報漏洩を起こした陣内さんは、当時の状況を明かした。「1回目は施工した建物、2回目は工事関係者とのツーショット、3回目も施工現場を撮影し、立ち入り禁止エリアやバックヤードが映り込んでしまった。自分の頑張りを見せたいという自己満足があった」と振り返る。
なぜ3度も繰り返したのかという問いには、「24時間で自動的に消えるInstagramの『ストーリーズ』機能だったため、頭の片隅でいけないと分かっていながらも甘く見てしまっていた」と当時の心理を吐露した。
鈴木氏は、情報漏洩の背景にある特有の油断を指摘する。「社会人として、何を写してはいけないのかというリテラシーの問題もある。また、『24時間で消える』という仕様と、『繋がっている親しい身内にしか見せない』という2つの点で油断が生まれ、確認もせずにパッと撮ってすぐに出してしまうことが原因だ」と分析した。
EXIT・兼近大樹は、世代間の分断について言及。「上の世代はこうした新しいSNSをやっていないため、どうなるかという危機管理方法を教えられない。若者たちが自分たちで判断するしかないというのは恐ろしい」と指摘した。
■親しい友人に共有したはずが無数に拡散
