18日の衆議院憲法審査会では、憲法9条に関する討議が行われた。自民党と日本維新の会がまったく違う考え方を示したことに、国民民主党の玉木雄一郎代表は「与党間である程度意見をまとめていただいたうえでやったほうが前に進む」と注文をつけた。
討議ではまず自民党の新藤義孝議員が、自民党の9条改正案を説明。「平和主義の原理を尊重する姿勢の表れ」として今の9条1項、2項をそのまま残し、新たに「9条の2」として自衛隊を明記するとしている。
これに対し日本維新の会の阿部圭史議員は、9条2項を削除し、集団的自衛権行使の全面容認を主張した。
9条1項は「戦争放棄」、9条2項は「戦力を保持しない」「交戦権を認めない」とする条文。
維新の阿部議員は「我が国は中朝露という3つの正面から核の脅威にさらされている。わが国1カ国だけでは守れず日米同盟だけでも不十分。豪州、フィリピン、英国等との関係を同盟レベルにまで引き上げる必要がある」と主張。さらに日米同盟について「わが国の基地提供義務および米国の日本防衛義務というモノと人との協力であり、この非対称的双務性を疑問視する傾向が米国内で強まっている」として、「全面的集団的自衛権のみが選択肢であることは自明だ」と主張した。
自民の新藤議員は、この9条2項の削除による集団自衛権行使の全面容認について、「他国を占領したり占領行政を敷いたり自国の安全と関係のない場面での武力行使まで容認するという議論にそのまま結びつくことのないよう、そうした面も含め丁寧かつ国民的な議論を行う必要がある」との見解を示している。
この両党の主張に対し、国民民主の玉木議員が「今、新藤氏と阿部氏の話を聞いていて、与党と野党のやり取りかと思いました」と述べると、笑いが起きた。続けて「できるだけ建設的に進めるために与党間である程度、9条に関しては意見をまとめていただいた上で憲法審査会をやったほうが前向きに進んでいく」と指摘。さらに高市早苗総理が来春の自民党大会までに憲法改正発議のめどを立てると述べたことに言及し、「与党の間でさえ議論の分かれる話を今から始めてもなかなか間に合わないのではないか」として、憲法9条改正よりも大規模災害時における国会議員の任期延長などに議論を絞るべきとした。また、憲法9条については、2項で禁止されている戦力に、明確に自衛隊の個別的自衛権を位置づけるべきと主張した。
中道改革連合の国重徹議員は「違憲論の解消だけを目的とした(9条)改憲は不要だ」と主張。共産党の畑野君枝議員も「国民が求めていない改憲のための議論ではなく、9条の精神を現実の政治や外交に生かすための議論こそ必要だ」と主張した。
参政党の和田政宗議員は「現行憲法に自衛隊を明記するだけでは不十分」とし、憲法を一から創ることを主張した。
チームみらいの古川あおい議員は「専守防衛の原則や非核三原則といった基本方針は堅持」としたうえで「国民の命と暮らしを守るための議論がかえって国民の間に深い溝を生んでしまっては本末転倒だ。9条を巡る議論はことさら慎重に丁寧に進めるべき」と主張した。(ABEMA NEWS)
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