■経営コンサルが次々倒産…背景に「IT導入補助金」依存
帝国データバンクの調査によると、2026年1〜5月の経営コンサルタントの倒産・休廃業数は242件(倒産74件、休廃業168件)に達し、過去最多を更新した。このペースが続けば、年間で集計開始以来最多となる600件を超えるコンサル事業者が市場から退場する可能性があると指摘されている。
同データバンクはこの倒産・急増の背景として、大きく2つの要因を分析。1つ目は、行政向けの申請書類作成を担う「代行業」など、制度の「さや抜き」目的の事業者が破綻した点。とりわけコロナ禍において活況を呈した「IT導入補助金」の申請代行は、審査の厳格化や参入業者の増加、顧客需要の一巡によってビジネスモデルとして成立しなくなったとされる。2つ目は、基礎的なタスクを生成AIが代替する流れが進む中で、専門性による差別化ができない事業者の行き詰まりが表面化したという点だ。
こうした現状に対し、補助金の申請代行サービスを行う株式会社Result代表取締役の佐藤勇樹氏は、帝国データバンクの分析とは異なる見解を示した。「IT導入補助金からデジタル化AI導入補助金への名称変更などに伴い、かつて60〜70%だった採択率が30〜40%へと大幅に低下し、補助金の素人では申請が通らなくなった。そのため、弊社のような代行コンサルへの依頼はむしろ増えている」と主張。
具体的には「IT導入補助金は、事業者とコンサルの間に、さらに補助金を使ってツールを販売するベンダーが入る。そのベンダーが申請に必要な事業計画書を作ることがあり、それが本来、何十枚も書くところ、250字程度で通ってしまっていた。それが昨年、一昨年くらいから通らなくなった」と説明した。
これに対し、経営コンサルタントの日沖健氏は反論。現在の倒産動向を「現時点では盛り上がってきた補助金バブルが単に崩壊しただけの事実」とする。「現在の企業の現場では、何をするにも補助金を第一に考える『補助金ファースト』が起きている。本来は必要だから投資すべきなのに、補助金があればやる、なければやらないという状態は企業の意思決定を歪めており、税金の無駄遣いだ」と述べた。さらに「婚姻届を誰でも1人で出すように、本来は自分で申請すべきもの。補助金予算そのものの縮小もあり、補助金コンサルはこれから本当に縮小していく」と述べ、存在自体が不要であるとの立場を明確にした。
■行政も「補助金をジャブジャブと配っていた」
