■パワハラに匹敵する悩み?音ハラを見極める「3つの基準」
音ハラにはタイピング音や咀嚼音以外にも、独り言や鼻歌、指をボキボキ鳴らす音、ボールペンのノック音、スマホのバイブ音放置など多岐にわたる。一方で、鼻をかむ音や咳、くしゃみといった生理現象は意図せず出てしまうものであり、音ハラとの見極めは慎重に行う必要がある。
村嵜氏によると、職場に限った場合でも、音ハラに悩む人はパワハラに匹敵するほど多い可能性があるという。また、最初は集中できない程度でも、長期間続くと幻聴が聞こえたり、十分な休息が取れずうつ病に発展してしまう恐れもあるそうだ。
日本ハラスメント協会では、音ハラを「配慮なく過剰な音で周囲を不快にさせる行為」と定義し、以下の3つを見極める指標としている。
(1)明らかに不必要な言動や行動によって起きている音か
(2)繰り返し行われているか
・1日の中で複数回
・日を変えて繰り返されているか
(3)その現場にいる半数を超える人(例えば5人中3人以上)が不快に感じるか
この基準について、三輪氏は一定の評価をしつつも、次のような懸念を示す。
「この見極め方もすごくいいと思う反面、音を出している人が本当にやむなく出している音の場合、多数決によって『あの人の音が不快だ』と追い込む可能性もなくはないと思う」
さらに、証拠化の壁についても改めて指摘する。
「音の場合は大きい方が不快度が高いと思うが、大きさをどうやって証拠に残すかというのは、騒音問題などでもそうだが、証拠化するのがすごく難しい。臭いも計測が難しく、やむなく出ているものだったりする。そして、不快感のレベルは人によって違う」
生理現象と不必要な音の境界線は曖昧であり、誰もが無意識のうちに音を出している可能性がある。ハラスメントという言葉で相手を糾弾する前に、お互いが快適に過ごせる環境づくりに向けた冷静な対話と歩み寄りが求められているようだ。
(『わたしとニュース』より)
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