ブラウンエッグファームは1970年に先代の父・憲次郎さんが創業。1992年に東京農大で畜産を学んだ滝沢氏が継承した。滝沢氏は養鶏場を継ぐ際にアメリカへ視察し、エサの提供や生んだ卵を集める自動化を導入。養鶏場経営に生涯を賭けた。
「(鶏舎)2つで1億5000万円かかっている。作る時は自分が借金をしてやれるのか、できるのかって。自問自答を半年ぐらいして『よし、いくぞ』ってなって、そこからお金を借りに行ったのは今でも覚えています」
安い卵を作る養鶏場が増えていく中で、こだわったのは安全でおいしい卵づくり。美味さのポイントはエサで、トウモロコシと大豆が主な飼料。さらに魚、ごまを組み合わせて滝沢氏自らが配合を考えて誕生したのが「浅間小町」だった。2023年のG7外相サミットの晩餐会で浅間小町は茶碗蒸しに使われ、信州を代表する食材として世界へ発信された。
しかし今、中東情勢の影響などによる物価高に苦しめられているという。滝沢氏は「原油高の問題でどんどん高くなって、一番てきめんにダメなのが船運賃。ニワトリを飼う設備、建物、すべて値上がりしています」「うちは建物自体は木造なんですよ。(温度管理の)暑さ寒さのために断熱材を入れます。それはすべて石油製品」と説明。
そこに追い打ちをかけたのが今回の火事。全焼した2つの鶏舎の再建の可能性については「当時、鶏小屋2つで1億5000万円。今だと4億円くらいかかってしまう。とても厳しい」と語った。
鶏舎内の入れ替え準備で火事が起こる前に偶然別の鶏舎に移動させていたことから、かろうじて難を免れたニワトリもいた。
卵を買って支援しようとする動き
