■「自由な働き方」の裏にある“過酷さ”とは
フリーランスの人口は10年でおよそ40%増加し、副業などを含めると1303万人(24年)に上り、経済規模は20兆円以上とも言われている。しかし、自由な働き方の裏には過酷な現実もあると崔氏は指摘する。
「フリーランス=自由で、自分流に働けて時間もコントロールできるところは魅力かもしれないが、やはり自由には責任も伴う。自分の身体や家族、時間マネジメントなど、いろいろと実は考えなければならないことがあるので、そのギャップに対して考える人が増えている」
「フリーランスは私自身を振り返っても、健康だからこそできたり、身体との付き合い方を考えたりと、実は自由というよりも様々なことを心の中でマネジメントしなければならないと感じる。そういうリスクとリターンを考えて、やはり企業にいた方が働きやすいのではないかと考える人が増えているし、もちろんAIの影響もあると思う」
さらに、今の仕事があっても次があるかわからないという不安。次の仕事への“種まき”を意識する中で、仕事とプライベートの区切りがつきにくくなると解説する。
「すべての時間をプライベートと仕事の充実だけでなく、次の仕事の“種まき”にも使う。自分で営業もしつつ、家のこともやるため区切りがつきにくい。メールが来ても、今対応できるからとすぐに対応しなければモヤモヤしてしまう。(自由に働けるので)区切りがつけられると思ってフリーランスになったら、むしろそうではなかったというケースもある」
こうした中、フリーランスをめぐる状況は激変。AIの台頭により企業側が求めるスキルの変化も、正社員回帰の流れを後押ししているようだ。
「AIがいろいろな作業的な仕事をしてくれるため、会社としてはみんなで協調する、チームワーク、まとめ役、リーダーなど、AIの代わりがきかないところをやってほしいと今は考えている。しかし、フリーランスの人がそこをできるのかと躊躇する企業もあると思う。そういったこともあり、とにかく人手不足だからといって何でも(正社員の選考が)通るわけではないというのが現実」
自由と引き換えに負う大きな責任とプレッシャー。そしてAI時代に求められるスキルの変化。フリーランスという働き方の理想と現実を見つめ直し、安心と安定を求めて正社員に“回帰”する動きは、今後さらに広がっていくのかもしれない。
(『わたしとニュース』より)
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