■レベル4の危険性「FDAもNIHも『やめろ』と声を大にして言っている」
問題とされるのがレベル4だ。青木氏は「過激ないわゆるDo It Yourself、要するに自分で人体実験してしまうというものだ」と説明する。
シリコンバレーの著名なバイオハッカーであるブライアン・ジョンソン氏らが実践しているとして取り上げられた若者の血液輸血については、「ネズミでは若いネズミと年老いたネズミの血管系をつなぐと年老いたネズミが若返るという実験が成り立っていて、それが一躍科学的なアンチエイジング研究としてブレイクした。しかし人ではそれが全然できなかった。感染の問題もあるし免疫の問題もあり非常に危ない。だからFDAやアメリカのNIHが『やめろ』と声を大にして言っている」と述べる。
自己遺伝子改変についても「サプリメントなら飲むのをやめれば終わりだが、遺伝子をいじってしまったらがん化の問題もあるし、まだ研究段階で落ち着いていないのにこれをやっている人がアメリカにいる」と警告する。免疫抑制薬ラパマイシンの自己投与や成長ホルモンの注射についても、「ホルモンの専門家からすると糖尿病が増えたりがんが増えたりということで非常に問題になっている。エビデンスベースも安全性も確立していない段階で勝手に飛びついてガンガンやるというのがレベル4だ」と語る。
青木氏はさらに、アンチエイジング医療の根本的な課題を指摘する。「どこがいわゆるエンドポイントになるか、すなわちそれをやったから本当に長生きをするかというのがアンチエイジングのエンドポイントだ。しかしそれはまだ何も出ていない。今明らかに分かっていることはビタミンDを取るとか、オメガ3系の不飽和脂肪酸を取るとか、運動がいいということくらいで、それ以外のことは意外に何も分かっていない」。
■「アンチエイジングの究極は、90歳まで自分の足で歩けること」
