■「そっとしてほしい」vs「顧客化をしたい」客と店員それぞれのモヤモヤ
アパレルショップなどでの店員からの声がけについて、客側はどう思っているのか。
「洋服屋さんに行っても、声をかけられるのは好きじゃなくて。音楽を聴きながら一人でゆっくり見ていたりするので、若い人ほどあまり声はかけてほしくないのかなと思う」(30代女性)
「できればそっとしておいてほしい。プレッシャーですかね」「店員の圧(を感じる)。バイトとかしているとあるじゃないですか、『このくらいの数を売って』と上から言われて、その圧を感じるみたいな」(20代女性)
このように声がけに抵抗を覚える声がある一方で、「近くにはいてほしい。自分から聞きたいことがあったら話しかけやすいから」(20代女性)「自分が優柔不断だから、逆におすすめされると嬉しい時もあるし…難しいですね」(30代女性)といった声もあった。
この接客のモヤモヤ、店員側はどう感じているのか。サービス業で元トップ販売員、現在は接客や販売についての研修講師を務める坂本りゅういち氏に話を聞いた。
「あまり声かけを望んでいないなという雰囲気のお客様は、以前と比べてかなり増えたという実感はある。店側・企業側からすると、『顧客化をしたい』という前提がある。一方で、声をかけられたくないというお客様がいることも重々わかっているし、覚えられるのが嫌だというお客様がいるのもわかっている中で、『私たちはどっちを選ぶべきなんだろう』というのは、実は店員側が一番悩んでいるところでもある」(坂本氏、以下同)
実は店員にとっても悩み多き接客サービス。では、客への声がけにはどんな意味があるのか。
「業種やブランドによって意味合いが変わってくる部分はあるが、接客の入り口を作りたいというのが非常に大きなポイント」
「売り込むための声かけと思っていってしまうと、往々にして失敗することが多い。『お客様のサポートをする人』という気持ちで声をかけにいくというマインドがあるだけでも、『お客様は今この商品を見ていて何を知りたいんだろう』ということに多分興味が向くと思う。そこについて答えてあげるとか、それだけでもお客様は一つ手助けを受けたことにはなる」
大切なのは売り込むことではなく、手助けするという意識。とはいえ、声をかけられるのが苦手な客がいるのも事実。店員にとってはその距離感が難しいところだ。
「見た目だけでその人の内面がわかれば正直苦労はしないが、それを求められているし、お客様は察してほしいという気持ちもある。店員側、販売員側としては、そこでずっと苦悩して、揺れて、悩んでいるところではある」
「雰囲気をゆっくり見たいという時も…」SHELLYが考える“良い接客”
