■100億年に1秒の誤差 ケタ違いの精度が生む恩恵
NICT時空標準研究室の室長・井戸哲也氏は、現行のセシウム原子時計との違いをこう説明する。数千万年に1秒ほどしかずれないとされてきたセシウム原子時計に対して、光格子時計は「100億年に1秒」あるいは「300億年に1秒」というケタ違いの精度を実現する。その理由は、光は電波より1万〜10万倍高い周波数を持つ電磁波であることにある。「電波の周波数から光の電磁波によるものに移ったことがブレイクスルー」と語った。
現在の1秒の定義は16ケタ目までしか規定されていないが、光格子時計では18ケタ目まで引き上げられる見込みだ。主任研究員の木原亜美氏は「ケタ数が上がるとその分だけ細かく1秒を決めることができる」と説明し、地震の予測や測量への応用も期待されていると述べる。
物理学者の野村泰紀氏は、研究方法について補足する。セシウムよりも光の方が、はるかに振動の回数が多いことに触れ「仮に1回分数え損なったとしても、ずれが少ない。だから精度が上がる」と説明した。
■「10メートルのズレが5センチに」GPSへの直接的な影響
