■「小さな積み重ねで、距離ができていった」
数年前から夫とほぼ会話のない状態の、子どもが2人いるみつきさん(30代)。仮面夫婦になったきっかけについて「妊娠、出産、仕事復帰といった大きな出来事はあったが、どちらかというと小さな積み重ね」だと振り返る。「家事の役割分担を提案しても受け入れてもらえなかった。LINEで伝えたり頼む量を減らしたり、付箋でメモを貼ったりと伝え方を変えても夫の行動は変わらず、伝えること自体を減らしていった」。
現在は、夫と子どもはそれぞれ普通に話しているが、「私と夫の間でのやり取りが極端に少ない状態」だという。子どもの行事や親戚付き合いの場では「同じ空間に最低限存在している」。子どもに対して夫の悪口を言うことは「固く決めてしない」と明言する。
離婚の選択肢については、「私と子ども、夫と子どもの関係はそれぞれ良好で、家庭から父親の役割を私の都合で取り除くことが子どものためによいとは今は思えない。手続きの労力を注ぐエネルギーも今はない」といい、現時点では踏み切っていない。ストレスの発散については「夫に感情を受け取ってもらえない分、友達に恵まれているのでそこで発散したり、自分のケアの時間を作るようにしている」と話す。
夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は、「男性側は仕事という逃げ場があり、家で子どもと妻が仲良くしていればいいと思って、妻が話しかけてこなければ仮面夫婦とすら思わない人もいる」。また、子どもへの影響については「子どもは大人より敏感で、親が話していないという不穏な空気を感じ取り、逆に子どもの方が気を使っている家庭が多い」と述べる。
■「”寂しい”を正直に伝える」専門家が促す脱・仮面夫婦への一歩
