さらに、勝利して連投で迎えた第7局の藤井竜王・名人戦では、一転して強烈な勝負手を放つ。藤井竜王・名人が「先手は欲しい。40〜50くらいで入れようかと考えている」「割りと強めに行こうかな」と57秒の入札を決断する中、藤本七段は「さっきとは正反対で、50秒〜2分」「後手番に全く自信がないんです」とチームメイトに吐露。「全力で先手を取りに行こう、ということです」と、なんと本大会最大値となる『2分1秒』を投じたのだ。これには藤井竜王・名人も「ええ〜!?大記録ですね、大記録」とビックリ。「わかりました」と静かにうなずき、闘志に火がついた様子だった。
持ち時間を大幅に削ってまで先手番にこだわった大一番は、互いの意地がぶつかり合う激しい攻め合いとなった。息を呑む終盤戦、極限の一手争いを制したのは、若きエースの藤本七段だった。対局後のインタビューで藤本七段は「指した3局、どの対局ももうダメだと思った瞬間があったので、偶然でした」と謙遜しつつ、驚愕の入札時間については「藤井先生相手に後手はかなり厳しいと思っていたので、何が何でも先手をいただきに行くという姿勢でした」と、揺るぎない覚悟だったことを明かした。
この恐るべき20歳の勝ちっぷりに、敗れた藤井竜王・名人も「藤本七段は時間配分も含めて、このルールに上手く適用して指されているという印象を強く感じた」と舌を巻いた。時間やルールの特性を完全に掌握し、盤外の駆け引きから盤上の大熱戦までを制圧したエースの姿に、視聴者からも「渚がやり切った!!!!」「いい将棋だった」「なぎさま嬉しそうだ」「終盤すごすぎ」「渚ラッシュ決まった」「素晴らしい!」と惜しみない賛辞のコメントが殺到。チームの1位突破を自らの手で引き寄せた藤本七段の存在感は、今大会を通じてさらに大きく輝きを増している。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け、全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


