ミシュラン掲載店の9割が男性の現実…女性シェフを阻む「負のループ」と結婚・出産の壁

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■「女性が少ないから、負のループがずっと回っている」

木本陽子氏
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 木本氏はミシュランの星を獲る女性シェフが少ない理由について、「まず女性が料理業界自体に少ないので、当然の結果だと思う。そもそも女性がいないので、星を獲る女性シェフも自ずと少なくなる。その負のループがずっと回っている状況が何年も続いている」。

 堀内氏も「ミシュランを獲れるレベルまで女性が働き続けるのは、今まで確かに大変だった」と認めつつ、「今の若い世代にはチャンスがあると思う。業界もだいぶ変わってきたし、日本全体が変わってきている。ここまでの時代がそうだったのはもうしょうがない」と語る。

 木本氏が専門学校に入学した18歳当時、すでに学校の男女比は8対2で女性が少なかった。新卒で入ったお店でも女性料理人は自分一人で、他の23人は全員男性だったという。「周りの男性も女性の扱い方が分かっていないので、何が困るのか、どういうふうに教えたらいいのか、全てマニュアルがないような状態で働いてきた」と振り返る。

 また、60名近くを一度に受け入れる規模の店でランチも担当していたため、仕込みの量が膨大で体力的な問題も大きかった。「男性だったら片手で持ち上げられるものが、女性だと両手でも難しいものがあって、効率よくやっていくには男性と違う部分で考えなければいけなかった」という。調理台の高さが男性目線で設計されており、「肘を上げて切らなければいけない」などの問題もあったと明かす。

 堀内さんの場合、修行以前の段階からつまずいた。「女性が調理場に入ること自体がありえない時代で、就職したくても女性というだけで門前払いされ、誰にも相手にしてもらえなかった」。30年近く前の話だと前置きしつつも、「鍋に水を張って、これが片手で持ち上げられたら入れてやると言われた。男性でも持てないような量で、だから女はダメなんだよと言われた」と振り返る。

 一方で、現在については「女だからダメだと言ってくるような板前やシェフはほとんどいない。料理人が足りなすぎて、現場で頑張っている女性がどんどん増えてくる中で、積極的に受け入れてくれるシェフが多い」との変化を実感している。

■「アスリートと同じ。才能プラス努力が形になる」
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