20~45歳の約3割が“包丁キャンセル界隈”→手抜きではない?「あえて手間を省く」日々の料理を続けるための“新マインドセット”

わたしとニュース
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■「手間を省く=家族との時間」家庭における価値観の変化

 こうした調理の簡素化が進んでいる背景について、キユーピー・生活者研究チームの出井明子氏は次のように分析する。

「今までの調理の概念が変わってきている。すべてに手間やお金をかけるのではなく、その時々の状況に応じて、『ここは重視するけどここは割り切る』そういった選び方が今広がっている。そのため、従来のこうあるべきという縛りが取れてきている」(出井氏、以下同)

 さらに、出井氏によると、包丁キャンセルが増えてきた背景には家族観の変化が大きいという。

「調理に手間暇をかけないで、家族と一緒にいる時間を大事にしたい意識が高まっている。調理に手間暇をかけることだけが美徳というよりは、家族との時間などトータルで考える思考が、特に次世代で高まっている」

 家族のために「手間をかける」ではなく、家族のために「手間を省く」という新しい流れができているようだ。また、仕事や子育てに追われる世代にとっては、包丁キャンセルは心のゆとりにつながっている側面もあるという。

「赤ちゃんなど子育て中の方はすごく忙しくて、パッとできる軽やかな自分の気持ちも義務感に追われない調理が今回(の調査)で見えている。そのため、包丁キャンセルも決して調理スキルが下がって起きているのではなく、義務感に追われて作る調理よりも、軽やかな気持ちで前向きになれる、そこが一番いいと思いますし、少しでも工程を減らしたり、気楽に続けるための工夫としてあることなのだと思う」

 「頑張りすぎない料理」それが新しい食卓の価値観になりつつあるようだ。

「(調理を担当する人が)すり切れていたらやっぱり生活が回らないというのが心の声。だからこそ、まずは自分の幸せを大切に、家族も幸せな方がいいという考え方が表れている。今回の調査を一言で示すと『私も家族もWin-Win』」

 この見解を聞いた白鳥は「いい時代になったなと思った。やっぱりお母さんの負担が多くないことが、家族のためになる。せっかくお母さんが(料理を)いっぱい作ったとしても、お母さんがイライラしているなと思ったら、やっぱり家族も嫌でしょうしね」と深く共感を示した。

 「お母さんだから」「主婦だから」と“完璧な調理”を追い求め、イライラを抱えてしまっては本末転倒。シニア世代が大切にしてきた丁寧な食卓をリスペクトしつつも、便利グッズを賢く使う「前向きな手間省き」がこれからの家庭に必要なようだ。

(『わたしとニュース』より)

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