■「日本はアクティビスト天国」規制議論の背景
プロジェクトチームで事務局長代理を務める自民党の神田潤一衆議院議員は、議論の趣旨について「必ずしもアクティビストを狙い撃ちにしたPTというわけではない」と前置きした上で、「企業の収益はかなり上がってきているが、設備投資や従業員の報酬、研究開発投資といった成長投資の方がなかなか伸びない。どうも自己株取得や配当など株主への還元の方が増えている。これはアクティビストの活動の活発化と関係があるのではないかという問題意識がある」と説明する。
株主の権利に詳しい弁護士の太田洋氏は、現行制度について「日本の会社法上、株主の権利は諸外国と比べても非常に強い」と指摘する。現行の株主提案権は、総株主の議決権の1%以上、または300個以上の議決権を6カ月前から保有する株主が行使できる。太田氏は「ドイツは5%以上または約8000万円相当、フランスは5%以上という要件になっている。日本の3万株という要件は、株価によっては300万円程度で満たせてしまう。しかも複数人で合算して満たすことも認められており、この部分はかなり緩い」と述べ、「アメリカの有力アクティビストが『日本は天国だ』と語っていたという報道もある」と付け加える。
神田氏は、株主提案が行いやすくなった背景として、「個人にも投資しやすいよう株式の投資単位を引き下げてきた経緯がある。昔は3万株というハードルは高かったかもしれないが、今はだいぶ下がっている。さらに円安で日本企業への投資がしやすくなり、PBRなど日本の株式会社のパフォーマンスの問題も重なって、日本が狙い撃ちにされる要因になっている」と説明する。IBコンサルティング代表の鈴木賢一郎氏は「300個の制限が取れたとしても、アクティビストの活動には全くとは言わないが悪影響は出ないはず。法改正がなされたからといって上場会社は安心してはいけない」とも述べた。
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