過剰な配慮で成長を奪う“ホワイトハラスメント”とは?「責任ある仕事を任せてもらえない」「残業させてもらえない」経験者が語る実態…背景に「上司と部下のすれ違い」専門家が指摘

わたしとニュース
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■「解釈の分かれる行為」に悩む上司とホワイトハラスメントの分類

 ホワイトハラスメントの難しい点は、その「位置づけ」にある。法的に問題がある「パワハラ」や「セクハラ」とは異なり、ホワイトハラスメントは「法的問題」と「個人の主観や価値観」との中間に位置する。解釈が人によって分かれる行為であり、場合によっては“適正な業務指示”とも解釈される余地があるため、受け止め方や言葉の言い方によってハラスメントと受け取られてしまう。

 月岡氏はこの点について、「上司としても、解釈が分かれることに対して悪い方に受け取られると困るから、『何も言わないで自分で(仕事を)やっちゃおう』という思考になってしまう」と、上司が過剰な先回りをしてしまう理由を分析した。

 関根氏は、ホワイトハラスメントをタイプ別に分類している。その中で、日本の会社で特に多いのが「失敗回避型フォロー」だ。これは仕事自体は任せるものの、失敗を恐れて過剰に先回りをしてしまうケースを指す。例えば、「心配だから大事なところはすべて上司がやってしまう」「商談に常に同席してしまう」といった行動がこれに当たる。部下が失敗して傷つくことや、その後のフォローの手間を避けるための配慮だが、結果的に部下の成長の機会を奪うことになる。

 この「失敗回避型フォロー」について、月岡氏は「私は不真面目な会社員なので、上司が大事な部分をやってくれたり商談に常に同席してくれたりしたら、むしろ『ラッキー、安心じゃん、ありがとうございます』と思ってしまう。そう感じる人もいれば、チャンスを奪われていると感じる人もいるため、やはり受け止め方は人それぞれだ。上司は本当に大変だ」と、労働者側の価値観の違いを語った。

 また、次に多いのが「制度遵守型フォロー」だ。これは働き方改革や会社の上層部の方針を遵守するため、「無理をしてでも部下を成長させたい」と思いつつも、板挟みになりながら残業をさせないように「今日はここまでで帰りなさい」と促すケースだ。これに対し月岡氏は、「本当に仕事がしたいのであれば、隠れてやればいい。そして、部下を早く帰らせる一方で、上司自身は帰らずに残業しているという矛盾もある」と、現場の複雑な実態を語った。

 ハラスメントを恐れるあまり、上司と部下の間で過剰な遠慮が生じ、コミュニケーションが希薄化していく現代の職場。それぞれが本音を言えないまま業務を抱え込むことが、組織や個人の成長において本当に良いことなのか。職場のあり方が今、改めて問われている。

(『わたしとニュース』より)

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