秋元強真の窮地を救った“セオリー外”の動き なぜ左拳負傷を乗り越えてクレベルに勝つことが出来たのか?

RIZIN
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セオリーを“度外視”して鬼神・クレベルに完勝

得意の左を封印しつつ、右のジャブを的確に打ち込む秋元
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 この試合は秋元の構えがサウスポー(右手が前・左手が後)でクレベルの構えがオーソドックス(左手が前・右手が後)、いわゆる喧嘩四つと言われる立ち位置での試合だった。一般的に喧嘩四つの場合は後ろ手のストレートを当てるために相手の外側に位置取りすること、サウスポーの秋元であれば自分の右側に位置取りすることがセオリーとされている。ただし喧嘩四つで相手の外側に位置取りすると、お互いの前手が邪魔になって前手のジャブを当てにくい側面もある。

 そこで秋元は右ジャブを当てやすくするために、セオリーとは違う相手の内側(自分の左側)への位置取りも織り交ぜ、クレベルのガードの内側から右ジャブを当てていたのだ。当然、相手の内側に位置取りする=相手に外側を取られるため、相手の後ろ手のストレートをもらうリスクは高くなる。しかし秋元は前後の重心移動がスムーズなので、右ジャブを打ったあとにすぐに構えを戻して対応することが出来る。さらに秋元はクレベルの右(後ろ手)ストレートに左ストレートを合わせることでクレベルに右を打たせず、自分の右ジャブで試合を組み立てることが出来た。

 もちろん秋元にクレベルの組み・寝技を凌げるだけのレスリング力や寝技の技術があることが大前提ではあるが、セオリーとは違う動きも交えた立ち位置の調整と緻密な打撃スキルが今回の判定勝利を呼び込んだと言えるだろう。

 クレベル戦の勝利で秋元は9月の超RIZIN.5で行われるラジャブアリ・シェイドゥラエフとAJ・マッキーによるRIZIN&PFLフェザー級タイトルマッチの勝者との対戦も期待されるところまできた。リング上のマイクで大晦日でのタイトル挑戦をアピールしていた秋元だが、試合後のインタビュースペースでは「未来さんとも話して『数カ月しか練習時間を取れないんだったら、無理してやる相手じゃない』という言葉をもらって、チームとRIZINと話しつつ、まずは左手を治します」と左手の治療を優先する意向を明かし、RIZIN榊原信行CEOも「無理にそこ(大晦日)じゃなくてもいいのかなと。大事に彼のキャリアをしっかり作り出していく役割になれたらなと思います」と話している。

 2024年9月のRIZINデビューから約2年間で9試合を戦ってきた秋元。しばし休息の時間を設けて、再び強くなった姿で帰ってくることを待ちたい。

文・中村拓己
©︎RIZIN FF

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