■「10年前よりさまざまな教訓が生きている」倍のスピードを可能にした理由
木村氏は10年前の熊本地震当時、県の総務部長として初動対応にあたった経験を持つ。現在は知事として陣頭指揮を執り、「前回の倍のスピードで対応に当たっている」と語る。
それを可能にしているのが、「広域からの人員動員」だ。「10年前の震災の教訓がさまざまなところで生きていて、対策が先手先手で打てている。熊本県以外の46の都道府県から700人、そして県内の小さな町村からも毎日100人以上の行政職員を派遣してくれている。800人規模で被災市町村に入っていることが、被災者のための行政を前に前に進めている原動力になっている。これは10年前になかった制度であり仕組みだ」と述べる。
また、10年前の最大の悔恨として、被災した病院からほかの病院への患者移送が遅れて関連死につながったことを挙げた。「入院していた病院が被災して電気や水が止まり、機能が不全状態になった病院から他の病院に移送することが十分できなかった。そのため治療が遅れたり、病気が悪くなったりした方もいた。関連死のうち6分の1にあたる30〜40人は、そうした方だったのではないか。その悲しみを絶対に繰り返してはいけないということで、今回はDMATなど医療関係のプロが全国から入ってきて、機能を停止した4つの病院から450人を2日以内に全員移送することができ、転院(の遅れなど)による災害関連死は今のところ防げている」と説明する。
加えて、県民側の変化も復興スピードを押し上げているという。「10年前に被災した経験のある市民の方は、次に何をすべきか、例えば罹災証明をやるべきだとか、ゴミは分別して置き場に持っていくべきだとか、全部学んでいらっしゃる。だからこそ倍のスピードが実現できている面がある」と強調する。
■避難所生活を終えるためのカギは「水道の復旧」
