「耳元の安心感」災害時の孤立を防ぐ?ラジオが築くコミュニティ 橋本吉史氏「神社のようなもの」

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■被災地に向けた「内向きの情報」と高齢化地域の現実

まちのラジオ
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 TBSラジオで長年プロデューサーを務めた橋本吉史氏は、災害時におけるテレビとラジオの報道の質的な違いについて次のように指摘した。

 「そもそも災害が起きた時の報道は、被災地で何があったかを外に対して伝えていく報道のやり方と、被災地に向けて放送するやり方の2タイプがある。テレビでもローカルメディアであれば被災地向けの放送はあるが、ラジオの役割は被災地に向けた内向きのベクトルの流れになることがほとんどだ」。

 能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県・輪島市町野町で、コメ農家を営みながら「まちのラジオ」を立ち上げた山下祐介代表は、インターネットの利便性を認めつつも、被災地の厳しい現実を明かした。

 「私も最初、『ネットでいい』と思った。ところが、今ラジオをしている地域は非常に高齢者が多く、高齢化率が6割になっている。直近でも、スマートフォンの使い方がわからず、『今までこれで娘とやり取りしてたのにできなくなった』と尋ねてくる方がいた。そういった方々が非常に多い中で、我々もネットを使って何とか情報発信をしようと心がけたが、この地域にとっては非常に難しいことが分かった。それであれば、やはり高齢の方でも親しみのあるラジオにしようというのがきっかけだった」。

 山下氏は実際に放送を始めてからの手応えについて、「ラジオを通じて、音声だけでも一つのコミュニティの場になっている。1カ所に集まらなくても地域の情報を共有して、それがご近所さんと会った時に会話のネタになり、地域のコミュニティ形成に寄与している。確実にそういった機能を果たしている媒体だと感じている」と語った。

■不安を和らげる「1対1の信頼感」と「広場」としての機能
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