「好き好んで満員電車に乗りたい人はいない」ベビーカー論争が繰り返されるワケは?子育て世帯がマイノリティ化する日本社会の“選択肢のなさ”

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■各国比較で見える「意識の差」と「都市構造の問題」

大森宣暁氏
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 国土交通省の「子育てにやさしい移動に関する協議会」有識者メンバーで、宇都宮大学教授の大森宣暁氏は、10数年前から東京・ロンドン・パリをはじめ6カ国でベビーカー利用に関する公共交通の調査を行ってきた。

 大森氏によると、東京では公共交通利用時にベビーカーを畳まずに乗車している人を「不快・迷惑」と感じる割合が他国と比べて非常に高い。「昨年、改めて東京とロンドンで同じ調査を実施したところ、日本では若干改善が見られたが、ロンドンには全く及ばない実態だった」。また、「公共交通でベビーカーが来た際に親切な行為をする人の割合も、ロンドンやパリと比べて非常に少ない」と続けた。

 なぜ日本ではこうした意識の差が生まれるのか。「東京は人口が集中しすぎていて、家も電車も道路も狭い。さらに日本には通勤手当を会社が支給するという特徴があり、郊外の安い家を買って都心まで満員電車で通勤する人が増えてしまった」と分析する。

 その上で、「満員電車に乗らざるを得ない、選択肢が1つしかないという状況が都市計画・交通計画的に最も問題だ」と強調する。解決策として、「保育園を家の近くに設ける、子育てタクシーなど複数の交通手段を選べるようにする」といった視点を提示する。また、「ウォーカブルシティ、歩いて暮らせる街づくりを目指すという都市計画的な視点も重要だ」と補足した。

 ベビーカー自体の設計についても言及し、「日本のベビーカーメーカーは折りたたんで持ち運ぶことを前提に設計しているが、海外のベビーカーは折りたたみを全く想定しておらず、大型で重い。思想の違いがある」と説明した。

■「この20年で出生数が約4割減、子育て世帯がどんどんマイノリティに」
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