この微笑ましいやり取りの一方で、解説を務めた渡辺明九段(42)は「斎藤さんとしては入札の失敗ですよね(笑)」とバッサリ。さらに「7秒差で先手番を取られて、中途半端になってしまいましたよね。菅井八段の振り飛車は強力なので、それを迎え撃つにはこの持ち時間差は辛いかなというのが第一感。菅井さんに読みを上回られた感じですよね」と冷静に分析した。この手厳しい指摘にも、ファンからは「明日斗にあたりが強いナベw」「バッサリ斬るナベ」「完全に失敗」「ナベ嬉しそうw」と歓喜の声が寄せられた。
和やかな笑いに包まれた盤外とは打って変わり、盤上は向かい飛車の出だしから息詰まる長い序盤戦となった。斎藤六段も十分な駒組を進めていたが、仕掛けの段階で先に誤算が生じたか、徐々に形勢が傾き始める。中盤以降は完全にペースを握った菅井八段が、「▲6五歩」からは自身の持ち時間を減らさずに圧倒し続けた。
さらに対局中、菅井八段の心拍数がぐんぐんと上昇し、今大会の“心拍王”である斎藤六段の目の前で165bpmをマークするという熱量の高さも見せつけた。攻防ともに一切の隙を見せなかった菅井八段が95手で快勝。入札での頭脳戦から主導権を握り、盤上でも完勝を果たした菅井八段の活躍は、チームを一気に悲願の決勝へと押し上げる大きな原動力となった。
◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け、全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)


