盤上の戦いが始まる前から、すでに勝負は白熱していた。8月22日に生中継された将棋の早指し団体戦「JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026」の準決勝第2試合は、北関東ブリッツァーズが九州サザンフェニックスをスコア5勝2敗で下し、見事に決勝進出を決めた。持ち時間5分、1手指すごとに5秒が加算されるフィッシャールールで行われる本大会。5本先取という過酷な戦いにおいて、対局前に持ち時間を競りにかけ、提示した時間(マイナスされる)が多い方が先手番を獲得する新ルール「先手番入札制度」が勝負の鍵を握る。そんな中、第3局では両者の思惑が激しく交錯する盤外の心理戦が繰り広げられた。
チームの主導権を握るべく第3局の盤に向かったのは、北関東監督の羽生善治九段(55)と九州の西田拓也六段(34)だ。予選での平均入札秒数は羽生九段が33秒、西田六段が26秒。このデータが、高度な腹の探り合いを生む。「できれば先手が取りたいが、あんまり時間を使いたくない」と戦略を練った羽生九段が40秒を入札したのに対し、西田六段はなんと1分4秒という強気の時間を提示し、見事に先手番をもぎ取ったのである。
「ちょっと裏を取られました(笑)」こんな記事も読まれています

