■企業の「返還支援制度」急増も…国の制度設計を求める声も
企業の独自の「給付型」奨学金が広がる一方で、日本の奨学金の主流は依然として「貸与型」だ。ガクシーによると、奨学金利用者の約7割が「貸与型」を利用しているという。
金利が上昇している今、借りた当時との金利差によって返済額が増えるケースがあり、ガクシーの事例では、今年3月から高い金利が適用されたことで毎月の返済額が約3000円アップし、単純計算で総返済額が約30万円増加した社員もいるという。
これに中野氏は「これが大多数なわけだし、例えば企業の50万円の給付などが足しにはなるとはいえ、根本的な問題は国の制度設計にある。全ての奨学金利用者が返さなくていい「給付型」を増やしていく必要がある」と指摘。
こそうした中、企業の導入が急増しているのが、社会人になってからの奨学金返済をサポートする企業の福利厚生制度「返還支援制度」。企業が社員の返済を補助することで、人材の獲得や定着を狙う仕組みだ。
ガクシーによると、同制度を導入する企業は2023年には1000社超だったが、2026年3月時点では4852社にまで急増しているという。支援内容としては半額程度を補助するパターンが多く、同社の調査では「返還支援制度があると応募先として検討しやすい」と答えた人が8割を超え、企業に求める福利厚生としても1位の家賃補助に次いで2位にランクインした。
この「返還支援制度」の広がりについて中野氏は、「ないよりはある方が絶対的に良いし、受けられる人が増えるのは良いことだ」としながらも、「企業側も今は労働力不足で人を引きつけたいフェーズだが、業績悪化や就職市場の状況変化によって、制度をやめざるを得なくなる可能性もある。やはり国の制度として“返さなくてよい奨学金”の制度が整えられなければ不安定さが残る」と指摘した。
(『わたしとニュース』より)
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