■高級外車1台分をつぎ込み後悔「抜けることができなかった」
かつて男性ライバーの配信にのめり込み収入を超える金額を投げ銭に費やした森メリアさんは、「金額としては高級外車が1台買えてしまうほどのとんでもない金額をつぎ込んでしまった」と打ち明ける。もともとYouTuberだった配信者が配信専用アプリで生配信を始めたことをきっかけに、「軽い気持ちで(配信へ)遊びに行ったところ、どんどん引き返せないところまで行ってしまった」という。
なぜ投げ銭にのめりこんでいったのか。森さんは「ファンが少ない配信者だったので、リスナー同士で『私たちの推しを押し上げなきゃいけない』という集団心理に陥ってしまい、そこから抜けられなくなっていった」と振り返る。一般的に想像されるような「推しからの『ありがとう』や『好きだよ』というリアクションが嬉しくてはまる」という動機とは異なり、集団心理の圧力がエスカレートの背景にあったと語った。
途中でやめようと思わなかったのか、という問いに対しては「最初の段階から普通じゃないと思っていて、早々にやめなきゃいけないと思っていた」と明かす。しかし、「応援が少ないと推しの方が不機嫌になって泣いたり怒ったり配信を止めたりというパフォーマンスをするので、ファン同士の中で『投げれる人で投げていこう』という雰囲気になっていた。今思えば(ファンのコミュニティを)抜ければよかったと思うが、抜けることができなかった」と語る。また現在は当時の投げ銭について「後悔している」と話した。
こうした事例について、早稲田メンタルクリニック院長の益田裕介氏は「殺人事件まで発展しなくても、診察場面で『実は投げ銭をしていた』とか、『お金を使いすぎて家族で暴力沙汰になった』という話を聞くことはよくある」と述べ、症例として珍しくないことを指摘する。「辞めたくても辞められない、という話は結構ある。軽い洗脳のような状態で、孤立している人がはまっていく。密室空間の中で『それ(投げ銭)しかない』という状態になり、自己肯定感が低かったり孤独で寂しかったりする人が相手を理想化していく。自分がダメだと思えば思うほど、そっちを輝かせなきゃいけないという感覚になってしまう」と分析する。
大物マダムタレントのアレン様は投げ銭について「実態のないものにお金を使うということは人生で経験がなく、対価が欲しい自分には分からない。ライバーの場合、提供しているものが配信になってしまうから、言葉を求めるとかコメントを求めるとかになって、(投げ銭する側の)満足度が永遠に終わらないのではないか」と指摘する。森さん自身も「チケット代と見せていただくものが釣り合っているアーティストのライブとは異なり、かけた額に対して返してくれる言葉の厚みはやはり見合っていなかったと思う」と振り返る。
■「やったことある人にしか分からない」投げ銭を受け取る側の本音
