深い研究に裏打ちされた藤井王位の作戦に対し、井出五段は「最初は狙いが分からず何が起こっているのか付いていけなかったが、やりたいことが少しずつ見えてきて、この一局にかける思いが伝わってくる」とコメント。さらに「力戦を超えた力戦」と表現し、「伊藤二冠としては、藤井王位の土俵で戦わされているかなと思うが、勝負はまだまだこれから」と激しいねじり合いを解説した。
午後6時を回り、立会人を務める中田功八段(59)が定刻の封じ手時刻となったことを告げたが、手番の藤井王位はそこからさらに考慮を続けた。そして午後6時11分、藤井王位が「封じます」と発声し、1日目の対局が指し掛けとなった。同じく解説を務めた冨田誠也五段(30)は1日目の進行を振り返り、「先手が機敏に動いたのが功を奏しつつある」と分析。さらに「封じ手の発声は、藤井王位には少し自信がありそうに聞こえた」と、緊迫した対局室の空気を読み取っていた。
勝者がタイトル防衛、あるいは奪取に「王手」をかけるシリーズの大きな分岐点。藤井王位が用意した新構想からリードを奪うのか、伊藤二冠が持ち前の粘り強さで跳ね返すのか。あすの2日目に、どのような盤上ドラマが待ち受けているのか大きな注目が集まる。
持ち時間は各8時間の2日制。
【封じ手時点での残り持ち時間】
藤井聡太王位 4時間48分(消費3時間12時間)
伊藤匠二冠 3時間45分(消費4時間15分)




