■「頼っても今までの生活が失われる」制度の壁と若者の不信感
支援を求めたとしても、現行の公的制度や行政システムが若者の望む形で機能していないという指摘もある。トー横歴4年の20歳男性・コイキさんは、過去に支援を頼った際の実情を語った。
「家庭内の暴力や親とのトラブルで支援団体に相談しても、児童相談所につながれるとスマホは没収され、学校にも通えなくなる。助けを求めた結果、今までの生活や教育機会を切り捨てなければならず、かえってストレスの多い環境に追い込まれることがある。これでは頼っても何も解決しないと無力感を抱いてしまう」。
さらにコイキさんは「未成年の時だけでも、周りの子が送っているような普通の生活を維持できるような強い支援であってほしい。困った時に手を差し伸べたのなら、今の環境を破壊せずに守り続けるような行政の強さが必要だ」と語り、柔軟性のない制度に対する苦言を呈した。
当事者側の「放っておいてほしい」「自分から助けを求めた時だけ対応してほしい」という意見に対し、EXIT・兼近大樹は、放置することの危険性を訴えた。
「『助けて』という言葉自体を知らない子どもたちがいる。文字が書けない子もいる中で、声をかけられた時だけ手を差し伸べるのでは遅すぎる。一度、悪質な方向へ走り出したら、二度と戻ってこられない可能性がある。関わってほしくない気持ちは理解できるが、大人がアプローチし続けることは必要だ」。
兼近氏は自身が過去に多くの大人から粘り強く注意を受け続けた経験に触れ、「何年もかけて言葉が蓄積されたことで変わることができた。本気で向き合ってくれた大人の言葉は響く。そのバトンを次の世代に渡していくことが大切だ」と語った。
また、歌舞伎町で支援を行う「日本駆け込み寺」の清水葵氏は、「『支援する側と支援される側』という上下関係ではなく、対等な関係で接したい。相手の性格や状態を見極め、駆け引きをしながら少しずつ距離を詰めていく必要があり、信頼関係を築くには時間と忍耐がかかる」と現場での葛藤を明かしていた。
(『ABEMA Prime』より)

