■「2時間にわたる応酬」——副部長との会談で何が語られたか
予定の1時間が2時間に延びた背景について、伊佐氏は「中国側がいろんな意見を言った時に、日本側として納得しかねるところ、理解できないところについては『ちょっと待ってくれ、私たちはこういう風に思っている』と言い、また日本側の意見に対して中国側は『いや、それは違う』とラリーが相当続いた」と振り返る。
従来の中国外交では「非常に儀礼的なものが多く、双方が言いたいことをそれぞれ述べて終わりという形式が2ラウンド続く程度だった」と伊佐氏は言う。「今回はそれが何ラウンドも続いた。実務家である副部長と議論することができたからだと思っているし、そういう意味では非常に実質的な内容のある議論ができた」とアピールした。
一方の中国側は“ハードライン”(強行姿勢)を維持。伊佐氏が日本人の安全確保や、デュアルユース品目・レアアースの輸出規制が日本経済に大きな影響を与えている点を訴えたのに対し、中国側は「高市政権の台湾に対する姿勢と発言、ここが変わらない限りは政策を変更することはない」と繰り返したという。
こうした中、伊佐氏が強く訴えたのが文化・青年交流の再開だった。「交流がないと、相手国についての情報はSNSか報道メディアからしか入ってこない。いいことなんてお互い言わない。だから日本人はどんどん中国が嫌いになるし、中国人はどんどん日本のことが嫌いになっていく。だからこそ“新型軍国主義”…日本はこれから軍国主義になると、本気で中国の人は思ってしまっている。だからせめて文化交流とか青年交流はやりましょうよということを強く申し上げた」と熱弁した。
また、東シナ海・南シナ海での軍事活動の活発化が日本の安全保障政策に直結していることについても、「言わないと伝わらない。我々は当然のことだと思って言っているけど、中国が分かっていないということをしっかり言わないといけないと思った」と述べた。
■「行ったことは一歩だったか」——訪中の意義をどう評価する
