若者を中心に「保険離れ」が進行中? 解約返戻金は過去最高の7兆円超 不祥事続きも追い風に…「保険という幻想が剥がれてきた」FPが語る“本当に必要な保険”の選び方

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■「がん保険に入っていなかった」——FPが自らの乳がん体験から語る

「がん保険に入っていなかった」黒田さんの“実体験”
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 黒田氏は40歳の時に乳がんを経験した。「FPとして20代から仕事してきたが、医療保険には入っていたもののがん保険には入っていなかった。まさか自分が40代でがんになるとは思っていなかった」と明かす。乳房全摘後、シリコンインプラントによる再建手術を行ったが、当時は自由診療扱いで170万円が全額自己負担だった(現在は保険適用)。複数年にわたって治療に伴いかかった費用は413万円に上り、公的保険でカバーできた分は約30万円、医療保険でカバーされた分は122万円、実質的に自己負担した分は261万円にのぼった。もしがん保険に入っていれば、診断一時金100万円と入院給付金約17万円、合計117万円がカバーできた可能性があると試算する。

 なぜ高額療養費制度の恩恵が限定的だったのか。黒田氏は「高額療養費は月額の医療費が高額になった場合に歯止めがかかる制度だが、乳がんのホルモン治療は月々の費用がそれほど高くないため、上限額に達しないケースも多い。少しずつ長期にわたって費用がかかると、制度の恩恵を受けにくい」と説明する。

 この体験を踏まえ、黒田氏は「患者支援の現場では、所得や家族構成、住宅ローンの状況によっては月5万円でも大変なケースがある。高額療養費があるから大丈夫と思いがちだが、医療費が自己負担限度額に達しなければ3割負担が続く。実際にがんになってみないと気づきにくいポイントだ」と語る。

 荻原氏はこの体験を聞いて「黒田さんのケースでいえば、医療保険という基本的なものに入っていたことがよかった。がん保険を別途入れていればよりカバーできたが、人間はがんだけで死ぬわけではなく、脳卒中やうつ病にかかることもある。だから広くカバーする医療保険をベースに持ち、足りない分は貯金から出すという考え方が大切だ」と述べる。そして「公的保険でも、例えばサラリーマンが病気で自宅療養する場合、最長1年半、給料の3分の2が傷病手当金として支給される。民間保険では入院しないと給付が出ないことが多いが、公的保険はより広くカバーしている。こうした制度を正しく理解すれば、そんなにたくさん保険に入らなくてもよいと感じるはずだ」と補足した。

■「入るところからスタートがもうやばい」必要なものだけを選ぶ発想へ
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