出所者の更生願う「母の鈴」と揺れる保護司制度 「高齢化」「面接の場所」…壁どう乗り越える

ニュース解説
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■住居や就職先の調整も…立ち直りを陰で支える「保護司」の具体的役割

 こうした出所者の更生を地域で直接支えているのが「保護司」だ。保護司は法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員だが、給与は支給されないボランティアとして活動している。

 その主な役割は、出所者がスムーズに社会復帰できるよう、釈放後の住居の確保や就業先の調整、生活環境の整備や日常的な相談に乗ることだ。出所者と定期的に面接を行い、孤立を防ぎながら自立した生活を送れるよう寄り添い続けている。

 活動のモチベーションは「対象者が罪を償って立ち直り、元気に暮らす姿を見ること」にあるため無報酬とされているが、近年の担い手不足から報酬支給の議論も行われた。しかし専門家らの検討では、成果の評価が難しく「無報酬だからこそ対象者が心を許してくれる」といった意見が出され、支給は見送られた経緯がある。

■高齢化と「自宅面接」の不安…問われる支援体制

 一方で、保護司を取り巻く環境は極めて厳しい。保護司の数は2004年の約4万9000人から現在は約4万5000人へと年々減少している。甲府保護観察所の坂本和巳所長によると、かつてはいわゆる地元名士の間で人脈を頼りに後継者を確保するシステムが機能していたが、地域社会の人間関係の希薄化に伴い維持が困難になっているという。保護司の平均年齢は65.3歳で60代以上が約8割を占めており、77歳の年齢制限もあることから将来的な担い手不足が懸念されている。山梨県では経営者の集まる会合で法務省職員が直接仕事を説明するなど、新たな募集方法の模索が始まっている。

 さらに深刻なのが「安全面の確保」だ。2024年に滋賀県大津市で発生した保護司殺害事件を受け、現役の保護司からも不安の声があがっている。総務省の調査では7割以上の保護司が「自宅」で面接を行った経験があると回答しているが、利用可能な公共施設が少なく自宅から遠いケースが多いことも要因となっている。

 出所者を孤立させず地域に居場所を作る保護司の安全確保や支援体制の整備は急務だ。末木さんが語るように「時代が変わっても人とのつながりが人生で一番大切」であり、社会全体でその活動を守り支える仕組みづくりが求められている。

(ニュース企画/ABEMA

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