将棋の伊藤匠王座(叡王、23)に広瀬章人九段(39)が挑戦する王座戦五番勝負第3局が10月2日、北海道虻田郡ニセコ町の「ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは」で行われている。シリーズ成績1勝1敗で迎えた大一番は、序盤から激しい進行となり、千日手になるのか、それとも回避して戦いが続くのかという緊迫した局面のまま、12時10分に昼食休憩の時間を迎えた。
本局は広瀬九段の先手で始まり、戦型は相掛かりの出だしとなった。序盤から互いに深い研究をぶつけ合うように、ハイスピードで激しい変化へと突入していく。その緊迫した進行の中、後手の伊藤王座はいきなり角を敵陣に放つ強手を見せた。ABEMAで解説を務める佐々木勇気八段(32)は「研究している中で、最近出てきたもの。後手が少し良くなる変化だと思う」と言及。さらに「お互いの研究が噛み合わないとならない変化」と語り、両者のハイレベルな事前準備が真っ向から激突した結果であることを解説した。
駒が激しくぶつかり合う進行により、盤上は早い段階からすでに中終盤のような様相を呈している。同一局面が繰り返される可能性が高まり、解説陣からも「千日手(になる確率は)95%」との声が上がっている。しかし、伊藤王座は時間の消費もいとわずに深く読みを入れる様子をみせている。容易に妥協しない若き王者の姿勢に、解説陣からは「こういうところに性格が現れる」と感嘆の声が漏れていた。
果たしてこのまま千日手成立となるのか、あるいは伊藤王座が踏み込んで激戦が継続するのか。互いの意地と研究が火花を散らす濃密な午前中を経て、午後の対局再開に引き続き大きな注目が集まっている。
持ち時間は各5時間。
伊藤王座、広瀬九段が注文した昼食メニュー




