診断書は不要? 不登校の子を持つ精神科医も「知らなかった」
介護休業の制度を知らなかったという、不登校の子を持つ精神科医のさわさん。自身の家庭にも適用されたのではないかと振り返る。
「どうしても介護休業は、高齢者の方や元々障害のある方とか大きな病気のときに使うイメージが私自身もあったので、まさか不登校の子どもにも適用になる可能性があるのは本当に知らなかった。全例が対象になるわけではないが、うちの娘も『ママより先に死にたい』と言ったり、すごく不安が強い時期があったので、今振り返ると、(介護休業の)適用になったのではと思う」(さわさん)
児童精神科医は長い予約待ちという状況の中、申請には医師の診断書が必要なのだろうか。
「不登校で診断書を取ろうと思って、児童精神科医に行こうとすると、初診が半年や北海道では2年待ちがあった。そういった状況がある中、厚労省は、『診断書はなくて大丈夫』と。会社が求める場合は何らかの証明書を『自分が用意できる無理ない書類でよい』というのがある」(石井しこう氏、以下同)
不登校の子どもが要介護状態だとする例としては、「強い対人恐怖があって親以外と意思疎通ができない」「外出すると戻ってこられない」「周囲の見守りがないと自傷行為を行う」などが挙げられる。厚労省は、必ずしも医師の診断書が必要ないと通達を出しているが、制度が周知されておらず、会社から診断書が必要と求められて諦めるケースもあるという。
「会社から『それでも証明書を出してください』という場合は、こうしていただけたらと思う私たちのツールがある。第三者の申立書といって、介護休業が必要な状態にあることを同僚や塾の先生、フリースクールの代表など、第三者の人たちに証明書をもらう。一筆書いていただく対応が必要になる」
石井氏は、不登校経験者向けの塾などと一緒に、介護休業の申請をしやすくするツールを開発し、無料で公開している。LINEの画面で、親自身が休業制度の対象となるのかを確認した上で、子どもの状態を項目ごとにチェックしていくことで、要介護の要件を満たすかが簡易判断できる。その上で、介護休業取得のための申請書類を自動で作成できる。
「介護休業は事業主からの理解が必要。仕事を(離職して)離れてしまう人、会社にとっても大きな痛手だと思うので、ぜひ介護休業を使って不登校の家庭の方々に働きやすい環境を整えてほしい」
職場での相談しやすさと離職を防ぐ選択肢へ
