■「恋は盲目になっていた」当事者が語る交渉時の心理と見極めの難しさ
山田さんの失敗事例を受け、スタジオでは当事者が陥りやすい心理状態や、事業価値を見極める難しさが焦点となった。
「のめり込んでしまった感じがあるか」という問いに対し、山田さんは「まさに恋は盲目。急いでいる時に急いで決めてしまった」と、面談からわずか1カ月で購入を決めた当時の心境を吐露。良い案件を見つけると、競合に買われてしまう焦りから周りが見えなくなる買い手の心理が浮き彫りになった。
これに対し片山氏は、「売り主も短期で譲渡できたら嬉しいのでスケジュールを短めに切ってくることが多いが、そのペースに乗って早め早めに進めると失敗しやすい。急いでいる時こそゆっくり考えるのがいい。競合がいて焦る気持ちもあるが、そこをぐっとこらえてもう1週間考えてみようというのが重要だ」と警鐘を鳴らす。
また、脳科学者の茂木健一郎氏が「夢を語るだけでなく、ダメなところや欠点も客観的に見ないとダメだ」と指摘した。さらに、増岡さんは「不動産の物件と同じで、出会いもそれぞれ。『これ買いたい』と恋の病みたいになっていても、そのまま買ってしまうと危険が潜んでいる場合がある。失恋したりもするが、それを乗り越えて良いものを見つけていくことが一番だ」と語った。
さらに、EXIT・兼近大樹が「赤字の会社を買う意味が分からない。なぜ人の会社を立て直したい人がいるのか」と疑問を投げかけると、片山氏は「黒字の会社は買収金額が高くなりがちだが、赤字の会社は比較的抑えられる。自分でやりたいアイデアがあり、設備も整っていれば、安く早く始められる」と解説。増岡さんも「極端な話、0円で売りに出ているものもある。タダで譲り受け、少し耐えれば黒字に転じることもある」と、赤字企業を買収する戦略的なメリットを示した。
■人生100年時代の選択肢…M&Aで「自分の事業を持つ」意義こんな記事も読まれています

