■過度な萎縮は不要、お互いを守るための「ルール」と「距離感」
一方で、OBOG訪問の受け入れ側である社員からは、「その意図がなくても、ハラスメントと受け取られたらどうしよう」「学生を応援したい気持ちはあるが、余計なリスクを負うことになるのではないか」といった不安や、過度な萎縮につながる可能性もある。
この課題に対し、日本ハラスメントリスク管理協会の金井絵理代表理事は、「受け入れる側も過度に萎縮するのではなく、あくまで『会社のガバナンスとルール』に則って対応していくのが良い。相手と自身の双方を守るという視点が大事」と指摘。その上で「ルールに縛られて息苦しいと感じるかもしれないが、ルールの遵守は学生にとって心理的安全性の高い場を提供することに繋がる」と指摘する。
浜田氏も「怖気づく必要はない」と語る。「プライベートなことを聞かない、相手が予定を理由に断っているのにしつこく誘わないなどは当たり前のこと。常識の範囲を逸脱しなければ、恐れることはない」。
また、大学の後輩や知人の紹介といった近しい関係からの就職相談については、金井氏は「就職相談を受ける時点で、力関係がある」と確認することが必要だという。仲が良くても、就活の場面では「企業の看板を背負った社会人と、選考への影響を気にしてNOと言いづらい就活生」だ。“断れない立場への無自覚”さがトラブルの温床となるため、知人であっても対応は会社の公式ルートに一本化すべきだという。よそよそしさを感じるかもしれないが、金井氏は「『会社の規定により決まっている』と伝えれば、後輩側も余計な気遣いをせず、お互いに適切な距離を引くことができる」とした。
これに対し浜田氏は、「お互いに距離を引くことは本当に大切だ」と賛同した上で、OBOG訪問の持つ意義を次のように述べた。
「私自身、学生時代に多くの会社のOBやOGから話を聞けて本当に良かった。公式な会社説明会とは違い、より深く理解でき、実際の雰囲気を知ることでミスマッチを防ぎ、離職率を下げる効果もある非常に重要な場。その有意義な場をこれからも充実させるためにこそ、双方がルールを正しく守ることが極めて重要だ」
(『わたしとニュース』より)
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