■アメリカで左派勢力に注目、ヨーロッパでは右派伸長…揺れる政治
地経学研究所リサーチ・アシスタントで現代アメリカ政治が専門の宇野正祥氏は、民主社会主義者の団体DSAの会員数が5万から12万へと倍増以上になっていることを示しながら、その政策的影響について「活動が目立つことで民主党が進歩派の方に引きずられたり、共和党の中でも財政支出を増やして労働者向けにしていこうという人たちが強くなったりと、両党がより再分配的な方向に引きずられていくところが政策的な影響として結構大きい」と説明する。
シェリー氏は、若者が民主社会主義を支持する動機は思想よりも生活実感にあると指摘する。「医療費や大学の学費が無料になるのか、ということを支持している。日本に来る若者も多いが、清潔で安全に時間通りに来る日本の公共交通機関をすごく羨ましがる。これをアメリカに作れるのではとみんなが思うようになってきて、それが民主社会主義への支持につながっている。彼らは思想よりも生活に根差した利益が欲しい」と述べた。
宇野氏はさらに「エスタブリッシュメントの人たちがやってきた政策が自分たちの豊かさの実感につながっていかないことへの怒りがある。レッテル張りももはや効かなくなってきている。それぐらい共和党支持者も民主党支持者も、自分の生活が向上していかないことへのフラストレーションは大きくなっている」と分析する。
経済学者の竹中平蔵氏は、ヨーロッパで極右が台頭し、アメリカでリベラルな左側が力を持つという対照的な現象について「トランプ氏がだいぶ極端に右に行ったので、左への揺り戻しがある。ヨーロッパは左に行ったので右への揺り戻しがある。ただ重要なのは心情的に右や左と言いながら、本当はどうするのかという議論になっていかないと、また何年後かに同じように右に戻っている可能性もある」と持論を展開した。
バーニー・サンダース氏の発言に触れながら「民主社会主義というよりも、保険や年金、所得再分配をもっとちゃんとやろうという話であって、その先の具体的にどうするかという議論が今のところ見えてこない」とも指摘した。
■中間選挙の見通し、その後は
