■過剰投資への懸念…「部分的なクラッシュ」はどこまで波及するのか
マクロ経済の観点から、過剰投資がもたらす金融リスクについての議論も交わされた。
慶應義塾大学大学院教授の小幡績氏は、「過当競争である以上、何重投資にもなっており過大投資であることは間違いない。さらに言えば、1社が潰れれば別の1社が残るわけでもなく、追い上げも多く、技術進化が激しいため現在のLLM(大規模言語モデル)自体が無効になって、より効率的な技術が出てくる可能性もある。AIが過剰投資であることは間違いない」と語った。
名古屋商科大学大学院教授の大槻那奈氏も、設備投資サイクルの歪みを指摘した。「アメリカ一国で見てもAI投資と債務は相当巨額で、今後3年間で約300兆〜400兆円という計画だ。一方でGPU(AIの大量計算などに使われる半導体)の陳腐化リスクが言われており、2年程度で陳腐化するかもしれない設備に対し、借入期間が5〜7年というギャップがある。市場が一度疑心暗鬼になれば、資金が回らなくなる恐れがある」と懸念を表明した。
一方で、経済学者で明治大学教授・飯田泰之氏は過去のショックとの違いを整理し、「AIについて過度の楽観が金利を引き上げている面はある。しかし、ドットコムバブル崩壊のような大きな調整局面はあっても、リーマンショックのように不動産市場や一般の家計を巻き込んでいない。混乱の尾の引き方はだいぶ違うのではないか」との見解を示した。
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