■豊田市役所が募集した“副業人材”に856件の応募
豊田市役所では、2024年に副業人材の採用を始めた。同市役所福祉部よりそい支援課の安藤亨氏は、募集の背景について「豊田市では地域共生社会という社会づくりを進めています。福祉的ないろいろな生活の困りごとの解決だけでなく、市民の方に多く関わっていただくような活動や取り組みが必要になってくる。民間での経験を行政でうまく発揮していただくことによって、社会に対して大きな推進ができるのではないかと思い、募集をした」と語る。
今回、豊田市が募集したのは、「人材育成」「福祉ブランディング」「福祉支援」の3職種。その結果、集まった応募は856件に上った。安藤氏は「社会人や新卒採用のエントリー数に比べて、今回の副業への応募が多くなっていた。本業をやりながらも社会に何か関わりたいというニーズは非常に多くあるのではないか」と、その反響の大きさを振り返る。
実際に副業人材を受け入れたことで、組織内にも変化が現れたという。「民(民間)の立場だから、私たちが普段当たり前に思っていることに違和感を感じたり、そういう指摘や気づきをもたらしてくれる。気づきを生かして、例えば職員研修を自ら企画して、ワークに移したり、地域の方や事業者の方と話をする時に同席して、一緒に考えてアイデアを出したり、共に歩めるというところは大きい」と手応えを語る。
さらに、期待を上回る効果もあったという。「(副業人材で採用した)福祉ブランディング担当のデザイナーの方が、コンセプトブックを作る際にいろいろな課にヒアリングをしていただいた。そうした時に、中の職員同士では出てこないような話がポロポロ出てきて。デザインって人に伝えるとか、考えを知ってそれを発信することだと思うので、そういう観点からの聞き取りであると違うものが出てくるのだなと改めて知った」。
豊田市では今後も副業人材の活用を続けていくのか。「その時折で私たちの課題になるようなテーマがあったり、一緒に考えたい話が出てくる。副業がなじむものであれば、そのテーマで募集させていただいたり、そういう展開をしていくことは十分にあり得ると思う」。
「外からの視点」がもたらす地方の新たな魅力
